千駄木駅の前にNTTがでっかいビルを建てようとしてますよ

 定休日。お昼過ぎに出勤して、例によって店内整理とミーティング。最近全然本が売れないし、うちの店は今月決算だし、2日続きの店内イベントも再来週に控えているしと、もうするべきことはことは山のようにあるのですが、19時から谷中コミュニティ・センターへ。「NTT駒込第2ビル増築に係わる説明会」であります。

 千代田線千駄木駅道灌山出口を出ると真ん前にNTTのビルが見えますが、その奥の以前体育館だった敷地に、もう1棟、それより全然でっかいビルを建てるという計画が現在進行しています。NTTは「地上8階、地下2階」と謳ってるんですけど、実際の高さは地上49メートル、地下17メートルで、普通のマンションやオフィスビルだったら16階建てくらいになるのかな。ずいぶん各階の天井が高いようですが、それはこのビル全体が巨大な機械室として計画されているからで、完成の暁にはそこに据えられた大量のコンピュータのサーバが24時間休みなく稼働し続けるそうです。ただでかいだけじゃないこんな目的のものを、あんな住宅密集地に建てるなんて、まずそのセンスを疑いますけど、建築許可を取るのにセンスは問われないですもんね*1


 説明会は今日が6回目。うちの店の場所は、会の開催を告知すべき範囲から外れているためこれまで知らされていなかったのですが、今回、大観音の島田富士子さんに教えていただいて、はじめて参加しました。周りから聞こえてくる噂によると「ともかくNTTの対応が不誠実で、訊かなければ何も答えないし、訊いてもちゃんとは答えない」というものでしたが、まあ反対側からの人からしか話を聞いていないし、とりあえずNTTの説明にも耳を傾けないとフェアじゃないよな、という気持ちで出かけていったのですが・・・。

 結果からいうと、建築しようとしているビルについての説明らしきものを受けることはほとんどできませんでした。何でかって言うと、地盤のこと、ビル風のこと、電磁波のことなどなど、これまで地元の人たちが説明を求めてきたあれこれについて何ひとつちゃんと答えていないにもかかわらず、会の冒頭で一方的に「今回で説明会は打ち切り」とぶち上げちゃったからで、そっから先は基本的には説明会を続行するか否かをめぐる押問答となりました。でもその過程において垣間見えた「別にここの土地がどんなふうになっても自分たちは関係ないもんね」というNTT側のみなさんの傲慢な態度はねえ、あれはないですよ。まあ実際彼らにはここがどうなってもどうでもいいんでしょうけど。

 でも「なぜここにこういう建物を建てる必要があるのか、そしてそのためにそこにはどういう設備が備わるのか」ということをちゃんと説明してくれたっていいと思うんですよね。それなしで「ともかくこういうものを建てる。これは決定。怖いとか息苦しいとか感じるかもしれないけど、環境面には何の問題もないし、圧迫感のないよう工夫もするんだから、つべこべ言うな」とまあ、こんな感じで。これじゃあ、たとえこの建物に何かしらの必要性があるんだとしても、とても賛成はできませんよ。

 結局、説明会は継続、ということになりました。あちらはコミュニティ・センターの閉館時間を盾に強制終了しようとしたのですが、まあ地元の施設ですからね、そんなことどうにでもなるわけで、持久戦なら負けないよ、という方向にもってたら、妥協せざるを得なくなったようです。次回以降の日程は決まり次第建築場所のフェンスに掲示されますし、古書ほうろうでもお知らせします。「えー、そんなん知らんかった。そりゃまずいだろ」と思われた方は、ぜひともご参加ください。また「なるべく地域住民に知れ渡らないように、ひっそりと」というNTT側の作戦がここまでは功を奏しているため、建設予定地のすぐそばの人たち以外はこの計画のことをまだあまり知りません。町でお友だちにあったら、ぜひ話をしてみてください。
 
 とまあ、腹立たしいやら呆れるやらで店に戻ると23時。もういい加減ビールの時間なんですけど、やりかけの仕事が中途半端なまま放り出されてますからね、それらにけりがつくまでは帰れません。結局片付いたのは2時。ガソリンを補給しないと家までたどり着けそうもなかったので、ミカコと八剣伝で生ビール飲んでから帰宅。時計を見たら4時でした。


 さて。今日一日でNTTがずいぶんな会社だということはよくわかったので、自宅にしろ店にしろ、今後NTTとの縁は切っちゃえばいいのですが、ひとつだけ絶対無理なものがあるんですよね。大宮アルディージャJリーグに興味のない人はご存じないでしょうが、アルディージャはNTTのチームです。クラブの正式名称は「エヌ・ティ・ティ・スポーツコミュニティ株式会社」だし、ユニフォームの胸スポンサーは「NTTドコモ」。そして、大好きなMF斉藤雅人NTT東日本の社員。そんなこと最初からわかっていたんだし、何を今さらってところなんだけど、でもやっぱりつらいなあ。

(宮地)

*1:センスより大事なのは、あの手この手で抜け道を探ることで、何でこんなものに許可が下りるのかというと、事実上「新築」なのに「増築」扱いであるというのもその理由のひとつ。既存の建物と地下ケーブルで繋げることにすれば「増築」になるのだとか。