満月に 美潮の歌の 海渡る

 今月は買取りが少なめなので、裏の在庫を少しずつ出せているのですが、そのなかからこんなものが出てきました。

「YELLOW PAGES」というのがタイトルで、表紙がYMO。とても安直ですが、若々しいお三方の姿には郷愁を誘われますね。ちゃんとした奥付はないのですが、どうやら1981年の5月刊。これが創刊号の雑誌のようです。この時期のYMOはリアルタイムで追っかけていたけど、まあ中学生ですからね、これは知りませんでした。というか、大人になってからもはじめて見たような。

 目次を見ると、

      • RIUICHI SAKAMOTO & DAVID SYLVIAN TALK ABOUT THEIR MUSIC PLANS
      • ANARCHY IN THE U.K.
      • WELCOME BACK THE PLASTICS
      • ROCK’N JUMP TO THE “MENTAI-BEAT”
      • Y.M.O. COMPLETE DISCOGRAPHY

というような、時代を感じさせる、それなりに興味深いものではあるのですが、すでにお気づきの通り、全部英語なんですよね。しかもタイプ文字。いま思えばよい時代ですけど、正直あんまり読む気にはならない。でもまあ結構珍しいもののような気はするので、気張って値付けしようかな、とよく見たら・・・

あらあら、切り抜きがありました。しかも、ピーター・バラカンさんが書いてるYMOの記事がばっさりと。もっとも元の持ち主のお目当ては、その裏にあった別のバンドの写真だったようですけど。ちなみに切り抜かれた部分の上には「ジューシィ・フルーツ」、下には「グンジョーガクレヨン」、左には「INU」の写真がそれぞれ収まっていて、町田康も小さくですがちゃんと写ってます。この問題のバンドはなんだったんでしょうね。気になります。

 さて、そんな誰がお金出して、どういう意図でつくったのかが今ひとつ判然としない雑誌ではありますが*1、でも「BIOS OF 15 TOP BANDS」のなかにチャクラが入っていて、しかも見開きで記事がつくられている、というのは見識ですよね。

 小川美潮板倉文の若々しい写真とともに、美潮さんによる「甘くてヘルシーな黒豆のつくりかた」なるレシピも載っていて(英語だけど)、なかなか面白そうです(英語なので読んでないけど)。
 広告も別に1ページ入っていて、そこにはなんと、田川律さんによる俳句も載っています。今日のタイトルに拝借した「満月に〜」という作品で、ここだけは日本語なのですが、ちゃんと英訳もついているところがおかしい。こんな訳です。
 over the ocean , MISHIO’s song fly away to the full-moon.


 誰とは申しませんが、チャクラ・ファンのみなさま、おひとついかがですか。お値段はこちらです。

(宮地)

*1:書き終えてから読み直したら、水上はるこを中心とする3名の女子が編集制作したもののようで、「日本以外にも、イギリス、西ドイツ、フランス、アメリカ、香港で売ってます」とありました。でも彼女らが身銭を切っているのかどうかまではわかりませんでした(英語だし)。ミニコミにしては広告がしっかり入ってるんですよね。まあどうでもいいんだけど。