さよなら妖精

さよなら妖精 (創元推理文庫)
 昨日の行き帰りの京浜東北線で勢いがつき、本日未明読了。中華街で買った月餅「夜来香」(くすんだ味。けっして悪い意味ではないです)、中国茶「東方美人」(美味)、あと西鳳酒(!)がお供。

ユリイカ」の特集に自分の知らない人が取り上げられていたら、とりあえず読むなり聴くなり観るなりすることが多いようです。昔からの習慣でミーハーと言われればその通りなのですが、この仕事をはじめてからは、必要最低限のたしなみとして、というところもなくはないかな。もっとも毎号チェックしているわけではなく、あくまでバックナンバーが店に入ってきたときがそのときなので職業意識としてはあやしいものですが、去年はおかげで上橋菜穂子に出会えましたし、まあしないよりはした方がよいのでしょう。「守り人シリーズ」なんて、本好きで知らない人はほとんどいないのですから、正直遅きに失してはいたんですけどね。

 ともかくそんな次第で、このたび米澤穂信という作家の本をはじめて手に取ったのですが・・・。


 いや、すばらしい。10代のときに出会えていたら、と思わずにはいられません。もちろんそんなことはあり得ないのだけど、もしだったとしたら、一生ついて行くのだろうなあ、この人に。40歳目前のいまでさえ、もう次の作品読むことを考えているのだから。青春小説なのに。

 読後の余韻、日本語に対する真摯な態度、そしてそこから広がっていく世界の大きさ(これは若ければ若いほど大きい、当たり前だけど)。語るべきことはいろいろあるけど、うまく話せそうもないなあ。まあ、何はともあれ読んでみてくださいな。

(宮地)