図書館あちこち

FUTON (講談社文庫)
 あちこちの図書館から「予約資料が届きました」あるいは「すみやかにお返しください」といったメールが届いたので、今日はそれらをまとめて片付けることに。

 まず、自宅から一番近い北区立昭和町図書館。予約していたバーバラ・ヘンドリックスの『スペイン歌曲集』の受け取り。あるきっかけがあって(近いうちに書く予定)、ここ1週間ほどスペインやアルゼンチンの作曲家による歌曲を聴き込んでいるのですが、これもその流れ。Arte Verumというヘンドリックス自らが設立したレーベルから出ていて、前にどっかのレコード屋で見たときは見送っていたのですが、なんと北区にありました。これはラッキー。

 次は荒川区立尾久図書館。ここは昔ながらの懐かしいつくりの図書館で、低い天井と壁に開けられたたくさんの通路に囲まれているととても落ち着きます。前にアルバイトをしていたことがあるので気心も知れているし、わが家に帰ってきたような気にさえなります。ここでは、年末年始に読んだ中島隆の『廓の与右衛門控え帳』、堀江敏幸『めぐらし屋』、乾くるみイニシエーション・ラブ』などを返して、川又千秋の『幻詩狩り』、中島京子の『FUTON』、あとミシェル・ルグランの『ヌーヴェル・ヴァーグ作品集』を借りました。

FUTON』は、昨日紹介した「イワト」のなかで水牛八巻美恵さんが取り上げてらしたもの。解説は斎藤美奈子、そしてカバー装画は「わめぞ」の絵師としてもお馴染みの武藤良子さん。『幻詩狩り』は南陀楼綾繁さんにすすめられて。ルグランのは、去年だったかに出た4枚組の映画音楽集成から漏れた音源が中心。『ローラ』や『5時から9時までクレオ』からの手元にない音源が収録されているので、本当は買わなきゃいけないんですけどね。

 しばし店に寄った後、文京区立本郷図書館。今度の一箱古本市鴎外記念室の中庭を使わせていただけたらと思っていて、相談にのっていただけるかどうかを伺いに行ったのですが、到着してふと館内案内を見たら「祝日休館」とありました。お願いしようと思っていたのは5月3日だから、これはアウト。引っ越して以来、メインの図書館が荒川区にシフトしていたため、文京区は祝日休館というのをすっかり忘れてました。ああ、大ちょんぼ(と思ったのですが、これはぼくの早とちりで、あらためてお訊きしたら、鴎外記念室の方は祝日も開館しているそうです。ただ、次年度となる4月以降の開館予定まだ決まっていない、とのこと。やはりちょっと難しいかもしれません)。

 そういったわけで、ほんとは何も借りる予定はなかったのですが、新入荷棚にユンディ・リの弾くプロコフィエフピアノ協奏曲第2番がありました。ぼくの大のお気に入りのこの曲を、ベルリン・フィルへのデビューにあたり自ら選んだというインタビューを読んで、このピアニストへの興味が俄然膨らみました(これまではこの人気者をちょっと色眼鏡で見ていて、ちゃんと聴いたことがなかったので)。カップリングのラヴェルト長調)もかつて大変入れ込んだ曲だし、これはうれしい1枚。早く聴きたい。

 気を取り直して、台東区立谷中コミュニティセンター図書室へ。「Mac People」12月号を返却。よみせ通りのだやさんでホットワイン用の赤を1本買い、本日の最終目的地、文京区立本駒込図書館へ。届いていたのはロス・アンヘレスの『スペイン民謡集』とホセ・クーラの『アネーロ』。あと棚から、ラローチャさんがファリャとモンサルバーチェを弾いた盤と、たまたま目についた太田幸雄とハミングバース『夜を盗む男たち』も。

 本駒込図書館からの帰りは駒込経由が定番。おせんべいやさん本舗で「黒胡椒せん」、その斜め向かいの有機栽培の八百屋で大根と小松菜をそれぞれ買い、家に戻りました。駒込駅東口から本郷通りに抜ける道沿いのこの一角には、他にも水族館劇場の浅野くん大推薦のケーキ屋トロンコーニなどもあり、たまに通ると心が躍ります。

(宮地)
ラヴェル:ピアノ協奏曲
ミシェル・ルグラン ヌーヴェル・ヴァーグ作品集
スペイン民謡集