「イワト」創刊号


 神楽坂の小劇場シアターイワトから、新しい雑誌が創刊されました。その名も「イワト」。小ぶりなサイズ、しゃれた表紙、紙の質感。そんなすべてが絶妙で、思わず手に取ってしまうかわいらしいヤツです。

 全部で40ページちょっとのなかに収められた15篇。役者に噺家、映画配給会社員に知的障害者支援員、はたまた解体屋まで、さまざまな職種の方々のどれも興味深い文章です。それらを読んで感じるのは、この世の中にはいろんな人がいてそれぞれが誠実に毎日を送っているんだよなあ、という至極当たり前のことなのですが、でもだからこそ大事なそんなことを再確認できて、とてもうれしくなりました。

 また、詩あり、日記あり、写真あり、レシピありとヴァラエティに富んだそれらの文章を、あるものは2段組み、またあるものは3段組み、場合によっては横書きにと、それぞれ適切に配置していく平野甲賀さんの技の冴えも見逃せません(あの独特の字体も満載)。ぼくたちの大好きな往年の晶文社の本をコンパクトにしたようなその造本も、この雑誌の大きな魅力のひとつです。

 定価も320円とお手頃。ご来店の際は、ぜひご覧ください。

 あと、シアターイワトでは、本日24日より「うたのイワト」なる4日間連続のライブが組まれています。明日25日のKILLING TIMEや、27日の二階堂和美など、何とも素晴らしいラインナップです。チケットは完売しているかもしれませんが、とりあえずお知らせまで。

(宮地)