ガリ版印刷TRNK【トリノコ】
ハト商店
ハト商店新入荷は、絵本『わこちゃんのお手紙屋さん』です。
「おとん、なにしてんの?」
「おてがみをかいとるんや」
「おてがみってなに?」
「おてがみはな、とおくにいるひととおはなしができるんや」
そうして、わこちゃんはお手紙屋さんを始めることにしました。ちゃんと家の前に本日開店の張り紙もしました。さてさてどんなお客さまがやってくのかな?
鳩文庫の本 9 『わこちゃんのお手紙屋さん』 500円(税込み)
つるぎ堂 新柄、新商品入荷
荒川の活版印刷屋さん、つるぎ堂さんの新柄ポストカード、新商品ミニメッセージカードが追加されました。
つるぎ堂ブログ http://tsurugido.dtiblog.com/
明日のよみせ通り「わくわく大感謝祭」にも出店されます。
http://d.hatena.ne.jp/shinobazukun/20101104
キタ!テルミン。ついにつるぎ堂さんに。
メッセージカードの表紙には「あなたの秘密知っています。」って・・・。
中は、シルバーから紫へグラデーションのかかった罫になっています。凝ってます。
もう一種類あります。そちらは店頭でのおたのしみ。
なんてったって、納品書の品名が「怪しいメッセージカード」ですから。
ポストカード 180円
ミニメッセージカード 320円
人気の金魚コースターは、従来よりも圧を強くして再登場しました。
価格は320円→350円になります。ご了承ください。
その他に、クリスマスカードなど並べています。
俳句、瑞々しい二冊。
『ききみみ手帖』 村田もも子 著 1,200円(税込)
挿し絵 刈谷サチヨ
装幀・編集 妹工房 志村雪菜
著者は、ご両親がやってらした北九州市の古本や檸檬を、ご主人と後を継がれて間もない初々しい古本屋さん、村田もも子さんです。今年の七夕に文庫本サイズのかわいらしい句集をつくられました。
もも子さんのご両親の出会いは俳句の同人誌だったそうで、幼い頃から俳句を身近なものとして育ったもも子さんが、こうしてご自分の句集をつくらるというのは、なんだかとてもすてきだなぁと思います。
タイトル「ききみみ手帖」というのは、昔話「聞き耳頭巾」から。
春、夏、秋、冬の季節ごとに十二〜十三の句が詠まれ、刈谷サチヨさんの挿し絵が彩りを添えています。
黒猫がビロード纏う星月夜
わたしはこの秋の句が、いいなぁと思いました。
あとがきによると、もも子さんは街にも、海や山へ滅多に出掛けない出不精なのだそうで、確かに目の前に現れる句は、読んでいるわたしにとっても特別な日の、ではなく、目の前に自然と自分の日常が浮かんできて、すんなり身体に馴染んできます。
妹工房 志村雪菜さんによる装幀もかわいいです。トレーシングペーパーにカラー印刷を施したカバーと、本体表紙のイラストとのちょっとしたズレなんかにも味があります。そして裏表紙にはスポットライトを浴びるキュートな3人の後姿が。
まったくもって、チャーミングなもも子さんに雰囲気がぴったりだと思います。
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『hi→』 vol.01 2010 autumn 500円(税込)
http://hihaiku.web.fc2.com/
参加者 衣衣、楢、伊吹、藍子
calender art work 朝日聡子
design 日比 藍子
千駄木往来堂書店の日比さんをはじめ、女性4人の句会から生まれた俳句zine『hi→』。
「俳句とその変奏 季節に抱かれた言葉とそのまわりをいろんなめだまで見てみる」と表紙に説明があります。
開くと先ず、秋号のテーマ「月」と「秋の果物」を使って4人が詠んだ句が現れ、ひっくり返すと、その中のいくつかの句を元に、別のメンバーが、物語を、返歌を、詩を編み、ひとつの句が違うものに変化してゆきます。そのさまは、自由で柔軟で、読むものの心を解き放ってくれます。
裏面は、月齢と二十四節気付きの10、11、12月のカレンダーになっていて、朝日聡子さんの「夜気」というタイトルのアートワークがA2全面に広がります。季節ごとに絵もたのしめる贅沢なzineです。
スマートで、且つ、優しい印象のデザインも日比さんが手がけられています。往来堂書店のD坂文庫の帯デザインや、お馴染み、手作り乱歩メモ帳も、そして『往来っ子新聞』も日比さんの仕事です!
特報!「モクローくん通信」覆刻なる
第2回モクローくん大感謝祭に合わせて、伝説のフリーペーパー「モクローくん通信」の覆刻版セットをつくりました。
2003年1月の創刊号から2006年9月の22号まで、12、17号の別紙付録および「スムース展」特別号外も含めた全25枚を完全収録した、ファン必携の永久保存版です。限定20部を、本日のモクローくん・トーク「本を売るだけが古本屋の仕事じゃない!?」の会場で、販売開始いたします。
もともと「無断複写および無断配布を歓迎」していただけに、これが最後のチャンス!などと声高に叫ぶつもりはありませんが、コンプリートなものをお手軽に手に入れるまたとない機会です。さらに、新たに製作した表紙には、内澤画伯による5コママンガ「屠畜だよモクローくん」(本紙未収録)が特別掲載されるほか、ナンダロウ氏直筆のサインと落款も入るという、至れり尽くせりぶり。定価1000円。奮ってお買い求めください。
写真はこちらで。 http://d.hatena.ne.jp/mampuku-tei/20091210
以下、今回久しぶりに読み返して思ったこと。
- これこそが不忍ブックストリートの礎だったのだあ、と、あらためて。以下そのあたりを時系列に。
- 18号までは、微妙に遅れながらも、ひと月に1回出ていました。制作にかかる労力を思うと大変な驚き。末期の「例の延刊」という見出しが印象に残っていたけど、「月刊」という謳い文句は正しかった。
- その流れが止まったのは、2004年8月の「第1回 モクローくん大感謝祭」のあたり。同じ頃、ブログ「ナンダロウアヤシゲな日々」もはじまり、以後は不定期刊行になっていきます。19号には、「古本のことも古書目録のことも、ついそこで書いてしまうので、モク通用のネタがじつはあんまりありません。」との記述も。
- 2005年4月の「第1回 一箱古本市」に合わせて出た21号を最後に「モクローくん通信」は沈黙。1年半後に「再開します」と題した22号がポツンと出たものの、事実上ここで一旦休刊したと考えてよいでしょう。他にもさまざまな要因はあるにせよ、「モクローくん通信」の休刊と不忍ブックストリートの結成が重なっているのは象徴的。
- あらためて書くことでもありませんが、これは「世界で唯一の目録愛好フリーペーパー」という体裁をまとった、南陀楼綾繁・内澤旬子夫妻の家庭通信でした。少なくともぼくにとっては、内澤さんの4コママンガや、最終面の「モクローくん日記」「編集後記」が何よりの楽しみで、目録評はオマケでした。
- 日記や編集後記的な部分は、その後もそれぞれのブログで楽しませていただいているのですが、残念なのは内澤さんのマンガが読めなくなったこと。特に初期の頃のテンションの高さは尋常ではなく、内澤ファン必見。お話も面白く、「モクローくん年代記」などの続きもの?も楽しかったなあ。
- 古書ほうろうも何度か登場。ぼくも一度描いていただきました。そんななかお互いの距離が近づいてゆき、それが「モクローくん大感謝祭」に繋がり、ひいては不忍ブックストリートとして実を結んだ?ことを思うと、「モクローくん通信」こそが一箱古本市の産みの親だった、と言っても何ら過言ではないでしょう。
- あと、当時面識のなかった古本屋さんたちを、ぼくは内澤さんの絵ではじめて知ったのでした。彷書月刊の田村さんに、石神井さん、そして「モクローくん通信」の大スター、月の輪さん。ご本人たちを知った今あらためて読み返すと、あまりにも似ていておかしい。特にカラオケ屋での内堀さんには抱腹絶倒。
- そしてもちろん古書現世の向井さんも。彼のことを「セドローくん」と呼ぶ人はもうあまりいなさそうだけど、ぼくの心の中ではいまだに「セドローくん」。創刊号からの連載「W稲田古書街畸人傅」ではじめてその名を知った後、2号でいきなり登場したのが、あの「セドローくん」で。あれはインパクトでかかったです。
- でも、こうして思い出してみると、南陀楼さんのおかげでぼくたちの世界が広がっていったことを、本当に痛感します。ありがとうございました。そしてこれからもどうぞよろしく。
- まだまだ言いたいことはあるのですが、とりあえずこのあたりで。大感謝祭期間中は店頭のみの販売となりますが、会期終了後もし残部があれば通信販売も承ります。ご希望の方は12月28日(月)以降、お問い合わせください。
(宮地)
TRASH-UP!! 04「総力特集 オルタナゴヤ」
本日、trash culture magazine「TRASH-UP!!」の4号が納品されました。これだけのポテンシャルのものをちゃんと定期的に出せるなんてスゴいなあと、ただただ驚くばかり。
http://trash-up.blogspot.com/2009/10/blog-post.html
以下、今号の内容について、思いつくままに。
- 表紙は、白目を剥いた中原昌也と、ヤンキースの帽子をかぶったクール・キース。掛け軸をバックに肩を組むおバカな写真はインパクト大。クール・キースという人のことは知らなかったのですが、ニューヨーク生まれのラッパーだそう。で、このふたりの対談が、今号の目玉その1。
- 目玉その2は、総力特集「オルタナゴヤ〜名古屋ロック最前線」。先月名古屋のバンドを招いて開催された吉祥寺SHOCK FESTIVALの活字版(というか逆ですね)。ぼくの守備範囲からは外れているので知らないことばかりですが、目を惹く記事も多数。
- まず、名古屋のフリーマガジン「SCHOP」の上原敏さんによる総論「オルタナゴヤ。〜まだ暮れない黄昏とまだ明けきらない夜の間で〜」。4段組12ページの大ボリューム。ここ20年ほどの名古屋のロック・シーンを、多くのインタビューを交えて、綿密に検証しています。上原さんは、昨日届いた書評のメルマガ432号に「なぜ、フリーペーパーなのか/やむにやまれず動いてみた」という文章を寄せていますが、合わせて読むと、彼の気持ちがより強く伝わってきます*1。
- 大好きなバンドGUIROの記事も、上原さんが執筆。メンバーが高倉一修ただ一人になっていることは知りませんでした。「ハナウタを誘うメロディーは、時代の音楽ではないのか。」と題されたその文章の末尾を以下引用します。
「届くべきものはいつか届く」という願いとともにタイムカプセルに託すなどという悠長な出会いを期待したり、レアグルーブだの刹那的なムーブメントで再発見されるような音楽では断じてない。発見した喜びより失われつつある悲劇を断罪し、一刻も速くその耳に届かんことを!
- 70年代末期のほんの短い期間存在したという「キャラバン」というバンドの記事も。山本精一曰く「日本最初のダブ・レゲエ・バンド」。なんと一時期は小川美潮のバックもつとめていたそうです。当時のライブ音源を集めたCDも昨年発売されているらしく、これはぜひ聴いてみたい。
- 特集以外にも知人がおふたり登場。まずオフノート・レーベルを主宰する神谷一義さんの「夢見るちから」。昨年発売されたレーベル初のコンピレーション『Our Aurasian Things!』について、いつもながらに熱く語られています。
- もうひとりは、松村克弥監督。『オールナイトロング』シリーズの新作リリースを記念してのインタビュー。松村監督は日暮里の生まれ。この地域に強い愛着を持たれていて、今年の一箱古本市weekでは、短篇『D坂 美女狂想』を制作、上映されました。
- 他にもいろいろ触れるべきことはありそうなのですが、届いたばかりなので、とりあえずこんなところで。お値段はDVD付きで1575円。2号と3号のバックナンバーもあります(創刊号は版元品切れ)。
(宮地)
*1:上原さんは、BOOKMARK NAGOYAのメンバーでもあります