特報!「モクローくん通信」覆刻なる

 第2回モクローくん大感謝祭に合わせて、伝説のフリーペーパー「モクローくん通信」の覆刻版セットをつくりました。
 2003年1月の創刊号から2006年9月の22号まで、12、17号の別紙付録および「スムース展」特別号外も含めた全25枚を完全収録した、ファン必携の永久保存版です。限定20部を、本日のモクローくんトーク「本を売るだけが古本屋の仕事じゃない!?」の会場で、販売開始いたします。
 もともと「無断複写および無断配布を歓迎」していただけに、これが最後のチャンス!などと声高に叫ぶつもりはありませんが、コンプリートなものをお手軽に手に入れるまたとない機会です。さらに、新たに製作した表紙には、内澤画伯による5コママンガ「屠畜だよモクローくん」(本紙未収録)が特別掲載されるほか、ナンダロウ氏直筆のサインと落款も入るという、至れり尽くせりぶり。定価1000円。奮ってお買い求めください。

 写真はこちらで。 http://d.hatena.ne.jp/mampuku-tei/20091210


 以下、今回久しぶりに読み返して思ったこと。

  • 18号までは、微妙に遅れながらも、ひと月に1回出ていました。制作にかかる労力を思うと大変な驚き。末期の「例の延刊」という見出しが印象に残っていたけど、「月刊」という謳い文句は正しかった。
  • その流れが止まったのは、2004年8月の「第1回 モクローくん大感謝祭」のあたり。同じ頃、ブログ「ナンダロウアヤシゲな日々」もはじまり、以後は不定期刊行になっていきます。19号には、「古本のことも古書目録のことも、ついそこで書いてしまうので、モク通用のネタがじつはあんまりありません。」との記述も。
  • 2005年4月の「第1回 一箱古本市」に合わせて出た21号を最後に「モクローくん通信」は沈黙。1年半後に「再開します」と題した22号がポツンと出たものの、事実上ここで一旦休刊したと考えてよいでしょう。他にもさまざまな要因はあるにせよ、「モクローくん通信」の休刊と不忍ブックストリートの結成が重なっているのは象徴的。
  • あらためて書くことでもありませんが、これは「世界で唯一の目録愛好フリーペーパー」という体裁をまとった、南陀楼綾繁内澤旬子夫妻の家庭通信でした。少なくともぼくにとっては、内澤さんの4コママンガや、最終面の「モクローくん日記」「編集後記」が何よりの楽しみで、目録評はオマケでした。
  • 日記や編集後記的な部分は、その後もそれぞれのブログで楽しませていただいているのですが、残念なのは内澤さんのマンガが読めなくなったこと。特に初期の頃のテンションの高さは尋常ではなく、内澤ファン必見。お話も面白く、「モクローくん年代記」などの続きもの?も楽しかったなあ。
  • 古書ほうろうも何度か登場。ぼくも一度描いていただきました。そんななかお互いの距離が近づいてゆき、それが「モクローくん大感謝祭」に繋がり、ひいては不忍ブックストリートとして実を結んだ?ことを思うと、「モクローくん通信」こそが一箱古本市の産みの親だった、と言っても何ら過言ではないでしょう。
  • あと、当時面識のなかった古本屋さんたちを、ぼくは内澤さんの絵ではじめて知ったのでした。彷書月刊の田村さんに、石神井さん、そして「モクローくん通信」の大スター、月の輪さん。ご本人たちを知った今あらためて読み返すと、あまりにも似ていておかしい。特にカラオケ屋での内堀さんには抱腹絶倒。
  • そしてもちろん古書現世の向井さんも。彼のことを「セドローくん」と呼ぶ人はもうあまりいなさそうだけど、ぼくの心の中ではいまだに「セドローくん」。創刊号からの連載「W稲田古書街畸人傅」ではじめてその名を知った後、2号でいきなり登場したのが、あの「セドローくん」で。あれはインパクトでかかったです。
  • でも、こうして思い出してみると、南陀楼さんのおかげでぼくたちの世界が広がっていったことを、本当に痛感します。ありがとうございました。そしてこれからもどうぞよろしく。
  • まだまだ言いたいことはあるのですが、とりあえずこのあたりで。大感謝祭期間中は店頭のみの販売となりますが、会期終了後もし残部があれば通信販売も承ります。ご希望の方は12月28日(月)以降、お問い合わせください。


(宮地)