TRASH-UP!! 04「総力特集 オルタナゴヤ」

koshohoro2009-11-06

 本日、trash culture magazine「TRASH-UP!!」の4号が納品されました。これだけのポテンシャルのものをちゃんと定期的に出せるなんてスゴいなあと、ただただ驚くばかり。
 http://trash-up.blogspot.com/2009/10/blog-post.html


 以下、今号の内容について、思いつくままに。

  • 表紙は、白目を剥いた中原昌也と、ヤンキースの帽子をかぶったクール・キース。掛け軸をバックに肩を組むおバカな写真はインパクト大。クール・キースという人のことは知らなかったのですが、ニューヨーク生まれのラッパーだそう。で、このふたりの対談が、今号の目玉その1。
  • 目玉その2は、総力特集「オルタナゴヤ〜名古屋ロック最前線」。先月名古屋のバンドを招いて開催された吉祥寺SHOCK FESTIVALの活字版(というか逆ですね)。ぼくの守備範囲からは外れているので知らないことばかりですが、目を惹く記事も多数。
  • まず、名古屋のフリーマガジン「SCHOP」の上原敏さんによる総論「オルタナゴヤ。〜まだ暮れない黄昏とまだ明けきらない夜の間で〜」。4段組12ページの大ボリューム。ここ20年ほどの名古屋のロック・シーンを、多くのインタビューを交えて、綿密に検証しています。上原さんは、昨日届いた書評のメルマガ432号に「なぜ、フリーペーパーなのか/やむにやまれず動いてみた」という文章を寄せていますが、合わせて読むと、彼の気持ちがより強く伝わってきます*1
  • 大好きなバンドGUIROの記事も、上原さんが執筆。メンバーが高倉一修ただ一人になっていることは知りませんでした。「ハナウタを誘うメロディーは、時代の音楽ではないのか。」と題されたその文章の末尾を以下引用します。

「届くべきものはいつか届く」という願いとともにタイムカプセルに託すなどという悠長な出会いを期待したり、レアグルーブだの刹那的なムーブメントで再発見されるような音楽では断じてない。発見した喜びより失われつつある悲劇を断罪し、一刻も速くその耳に届かんことを!

  • 70年代末期のほんの短い期間存在したという「キャラバン」というバンドの記事も。山本精一曰く「日本最初のダブ・レゲエ・バンド」。なんと一時期は小川美潮のバックもつとめていたそうです。当時のライブ音源を集めたCDも昨年発売されているらしく、これはぜひ聴いてみたい。
  • 特集以外にも知人がおふたり登場。まずオフノート・レーベルを主宰する神谷一義さんの「夢見るちから」。昨年発売されたレーベル初のコンピレーション『Our Aurasian Things!』について、いつもながらに熱く語られています。
  • もうひとりは、松村克弥監督。『オールナイトロング』シリーズの新作リリースを記念してのインタビュー。松村監督は日暮里の生まれ。この地域に強い愛着を持たれていて、今年の一箱古本市weekでは、短篇『D坂 美女狂想』を制作、上映されました。
  • 他にもいろいろ触れるべきことはありそうなのですが、届いたばかりなので、とりあえずこんなところで。お値段はDVD付きで1575円。2号と3号のバックナンバーもあります(創刊号は版元品切れ)。

(宮地)

*1:上原さんは、BOOKMARK NAGOYAのメンバーでもあります