ホームムービーの日、はたあきお、『汽車 映画ノスタルジア』

 今日はホームムービーの日。仕事は19時で切り上げ、雨のなか根津の宮永会館へ行ってきました。家庭で撮られたフィルムを、撮影者や縁の人とともにワイワイ言いながら観る、というこの企画の魅力については、実際に足を運んでいただかないとなかなかうまく伝えられないのですが、でもほんとに面白いんですよ。今日もいずれ劣らぬユニークなフィルムが揃いました。

http://nezueigakurabu.blog42.fc2.com/blog-entry-15.html

 この会場ならではのお楽しみは、この界隈の昔の姿を写した作品に必ず出会えることなんですが、その点で興味深かったのは、宮本瑞夫さん提供の『逢初マーケットの改装』と松下健児さん提供の『都電』。昭和33年頃の根津交差点付近を撮った『逢初マーケットの改装』は、戦後の闇市然としていた区画を整備し直す過程を描いたもので、貴重な作品。福島不動産が今とあまり変わらない風情だったのが印象的でした。不忍通りから都電が消える最後の日を描いた『都電』も力作。なかでも明け方の澄んだ空気のなかを走る20系統の場面は特にすばらしく、高い建物がほとんどない広々とした空に、路面電車の架線が格子縞を描くさまは心に残りました。

 と、これだけでも大満足というところなのですが、ぼくにとっての最大の演し物は、休憩のあとに上映された、はたあきおさんの『水鏡』でした。昭和47年頃の只見線の一日。珍しく風のない日だったそうで、鉄橋を渡る蒸気機関車や川沿いを走る貨物列車が川面に写る様子が、ちょっとあり得ないぐらい美しく捉えられていて、大変興奮しました。只見線は昔からとても好きな線で、かつては何度か乗りにも行ったのですが、今日観せていただいたのは、自分が乗っていても絶対に見ることのできない光景だったので。
汽車 映画ノスタルジア
 はたさんのお名前は、鉄道ファンの間ではかなり知られていて、その膨大なフィルムの一部はDVD化もされています。また、高円寺「円盤」では、不定期ですが趣向を凝らした上映会も行われています。昨年催された、はたさんの作品に中尾勘二と古池寿浩が音楽を付けるという楽しすぎる企画では、映像に見とれた中尾さんが全然演奏しない、なんていう一幕もありました。そして、実はうちの店でも、共著ですが本を1冊取り扱っています。タイトルは『汽車 映画ノスタルジア』。古今東西の映画から、汽車の登場するものを選んで紹介する労作で、映画と鉄道が好きな人にとっては必携です。ぜひ一度、手に取ってみてください。

http://tembo-books.jp/books/books-122-7.html


(宮地)

イワト11号

koshohoro2009-09-17

 不在ポストに何か入ってるな、と思ったら、シアターイワトからの郵便。「新しい『イワト』だ!」と勢い込んで梱包を解くと、なんとそこには内澤さんちの伸二くんの写真がドカーンと!なんとも凄まじいインパクトであります。「内澤旬子と三匹の豚」なる堂々6ページのマンガも描き下ろされていますし、9月29日の「ぶた食べ放題の会」に行かれる方はもちろん、そうでない方も今すぐお求めになることをおすすめします。320円です。
 なお、その他の目次は下記のリンク先を参照ください。今号も読みごたえたっぷりです。
 http://iwato.exblog.jp/12154952/


(宮地)

ALEVARE/水上音楽堂でヤン富田が聴けるなんて!

 古書ほうろうが自信を持ってお薦めするイベントのご案内です。

ALEVARE http://www.windbell.info/event/alevare09/evnt_alevare09.html

  • 日程:2009.09.21(月/祝)
  • 時間:open 12:00 start 13:00
  • 会場:水上音楽堂(上野恩賜公園不忍池脇野外ステージ)
  • 主催:windbell c/o Colour Field Inc.
  • 出演

   YANN TOMITA
   HAUSCHKA with Strings(波多野敦子・徳澤青弦・斉藤裕子)
   JIM O'ROURKE / 山本達久 / 田中徳崇
   SUNSHINE LOVE STEEL ORCHESTRA(土生"TICO"剛・田村玄一大野由美子
   mama! milk (生駒祐子・清水恒輔・ゲスト:栗原務)

  • チケット

   前売 5,500円 当日 6,000円

 うちの店でもCDを取り扱っているwindbellレーベル主催による、上野水上音楽堂でのコンサート。一昨年の第1回は記憶に残る一日で、二階堂和美の存在感あふれるステージや、暮れなずむ街を背に美しく奏でられたmama! milkなど、すべてがほんとついこの間のことのようですが、それ以来となる今回も素晴らしいメンバーが揃いました。なかでも驚きはヤン富田!彼の音楽であの空間が満たされるなんて。想像するだけで幸せな気持ちになりますねえ。他の出演者もご覧の通り錚々たるもので、一般的にはそれほど知られていないかもしれませんが、音楽好きなら目を丸くすること請け合い。プリペアード・ピアノやスティールパンなど日頃聴く機会のない楽器の響きを耳に、緩やかな風を感じながら飲むビールはきっとおいしいですよ。お近くにお住まいの方はもちろん、そうでない方も今のうちに予定を空けて、ぜひともお出かけください。

 というわけで、昨日よりほうろうでも前売券の販売を開始いたしました。windbellさんのご好意で若い整理番号のものをお預かりしています。まだ数に余裕はありますが、昨日も早速1枚売れましたし、手帖に印をつけたらなるべく早めにお買い求めください。
 また「ほうろうまでわざわざ行くのはちょっと」という方には「表参道のオヨヨ書林で買う」という手もあります。オヨちゃんは、うちでもっともたくさんwindbellのCDを買ってくれてるお客さんでもあり、日記でも生駒祐子のアルバムを紹介しています。

(宮地)


追記 たった今、また2枚売れました。昨日CD(高田渡監修『貘』)を買ってくださった際に「おすすめです」とチラシを渡したお客さんが、わざわざチケットだけを買いに。こういうことがあるから店はやめられないのです。本当にうれしい。

茶ノ間文庫

谷中の茶ノ間さんから「茶ノ間文庫」第一号が入荷しました。
画家・版画作家・絵本作家として活躍されるささめやゆきさんのマッチ箱入りミニミニ絵本『ねているあいだ』です。

 

ほうろう限定セットとして、絵本に茶ノ間さん特製トートバッグとカード付きのセットも作ってくださいました!
ささめやさんの女の子のイラストが表と裏にシルクスクリーンで刷られています。

  • マッチ箱入り絵本『ねているあいだ』ささめやゆき 300円
  • トートバッグ、カード付きセット 700円

トートバッグは35×31cmのA4版が入る大きさ。『BRUTUS』が小さく見える?

(ミカコ)