雨の水の底楽団

 昨日おとといの二夜連続イベントは、おかげさまで無事終了いたしました。まずは、おとといの水の底楽団のことから。

 開演の2時間ほど前から凄まじい豪雨となり、これじゃいくらなんでもお客さん来られないんじゃ、と心配していたのですが、なんのなんの。最終的には40人近くの方が来場。十四郎さんは「今日来てくれた人たちは、本当のファンだ」と仰り、うちの山崎は「これが水の底力だ」と言ってましたが、本当にありがたいことです。また、こんな寒いんじゃ生ビールどころじゃ、というのもあっさり杞憂に終わり、軽く2樽(20ℓ)が空になりました。結局、気候の影響が出たのは、機材の搬入が押しに押して、開演時間がちょっと遅れたことぐらいでしたね。

 で、肝心の演奏の方ですが、これも期待に違わぬ素晴らしさ。廣政さんのギターが入ったことで、十四郎さんがほぼ唄に専念できたのが、まず大きくって。で、そのソウルフルなヴォーカルを尾形さんのうねるベースが支え、さらに廣政さんによるユニークなオブリガートがからみつくと、そこに独特の世界が生まれる、というわけです。今回聴いていて感じたのは、尾形、廣政両氏の、十四郎さんの曲に対する共感のようなもので、それが演奏をあったかいものにしてるんじゃないかと思いました。

 ほとんどの曲は、これまで何度もほうろうで演奏されてきたお馴染みのものばかり。それらが、そのときどきで微妙に、そして大胆に姿を変えるのも楽しみですが、それと同時に、これらの曲は、ぼくたちにとって、そしていつも来てくださるこの町の人たちにとって、ほかに換えの利かない大事な大事なものなんだよな、ということを最近よく考えます。たとえ「タイトル忘れちゃったけど、あの終電なくなって上野から歩いて帰ってくる歌」みたいな覚え方しかできなくても、ここで聴いた十四郎さんの唄は、いつまでも忘れないでしょう。

 終演後は、店で軽く乾杯した後、近所の焼き肉屋へ。一度話をしてみたかった廣政さんとたくさんお喋りできたのがうれしかったです。

(宮地)