Rail Magazine

 定休日。18時過ぎに水族館劇場の千代次さんがみえて、ある企みについての相談ごとをした以外は、おおむね品出しにいそしみました。出したのは、今日も鉄道の本。本当はそんなつもりじゃなかったのですが、昨日の『THE LAST RUNNERS』などを並べているうち、鉄道の棚全体をつくり直してみたくなったのです。

 まず、鉄道棚最上段を侵蝕していた競馬の本を撤去し、左のスポーツ棚の最上段に統合。騎手の書いたものや、昔の別冊宝島、それに宮本輝の『優駿』など、あっても良いけどなくても構わない本を100円均一に回します(『優駿』は好きな小説なのであった方がよいのですが、文庫本もあるので)。これで1段確保。次に、2段目の半分強を面出しで占めていた大型本『国鉄・私鉄オンパレード』を棚上に移動。あと、無駄に面出しされていた教育社カラー文庫を棚差しすることで3段目のやはり半分ほどあけ、これでもう1段、都合2段確保。さらに、棚板の位置をあれこれ移動して、大きめの雑誌を縦に入れられる段と、文庫本がギリギリで入る段とに作り替え、これで準備完了。こんどはここに本を並べていきます。

 取り出したりますは、2、3年前に買われたきり今日という日を待っていたに違いない、鉄道雑誌の入ったダンボール箱2つ。まず、そのうちのえらく重い箱から出てきたのが「Rail Magazine」。「鉄道ファン」「鉄道ジャーナル」「鉄道ピクトリアル」といった老舗が基本的には現在の鉄道状況に沿っているのに対し、ネコ・パブリッシングから出ているこの月刊誌は、懐古的な連載と写真撮影のための詳細な情報に特色があります。で、ぼくにとって興味があるのは、ノスタルジックな写真と貴重な図版に彩られた連載の方。今日出した2000年から2005年までの間には、下記のようなものが。 

      • ドキュメント・感動の所在地
      • 消えた轍 ローカル私鉄廃線跡探訪
      • ガイドブック 最盛期の国鉄車輛
      • 「SL甲組」の肖像

 タイトルで、だいたいの雰囲気はおわかりいただけますよね。「感動の所在地」というのだけは意味不明ですが、1960年代から70年代にかけての鉄道旅行記。連載終了後には単行本にもなった、当時の看板連載です(著者は椎橋俊之)。
 あと、そうだ、くるり岸田繁の連載もありました。この方、「電車に乗るときは必ず録音用MDとDATを持ち歩いている」電車の走行音マニアだそうです(「音鉄」とか「録鉄」とかいうらしい)。「京急2100系起動音の音階」なんていう手書きの譜面が載っていたりもします。いろんな人がいるなあ。そんな岸田氏のリクエストもあったのか、この時期の後半にはCDの付録がついた号も目につくようになります。なかには名古屋鉄道モ510形が特別運転したときのDVD、といった魅力的なものも。

 というわけで、好きな人には盛りだくさんのこの雑誌、1冊315円から525円で35冊出しました。前から出していてこのたび315円に値下げした、1988年から1994年頃までの20冊と合わせると、なんと50冊以上。「ちょっと面白そうかも」と思われましたら、ぜひ一度ご来店のうえご覧ください。

(宮地)