『LOW FISH』船戸博史 

 で、その『LOW FISH』。2004年にオフノートから出た、船戸さんの初リーダー作です。棚に面出ししてあるのを千晶さんがみつけて、「では、聴いてみましょう」と。3曲目、中尾勘二さんがテナー・サックスを吹く「ララのテーマ」あたりから完全に聴きほれモードに入り、大原裕作曲の「ななしのストリッパー」、船戸さんの「katse」と続いていく怒濤の展開を、久しぶりに堪能しました。千晶さんが、中尾さんと関島岳郎さんの良さについて、それぞれ手振りを交えながら話してくれたのも楽しかったです。そうか、なるほど。船戸さんのベースも秘かにノリノリで、いつもの笑顔がよみがえってきます。

 このアルバム、いわゆるフリーっぽいところもたくさんあるので、苦手な方もいらっしゃるでしょうけど、何回も聴くうちそんな混沌のなかから美しいフレーズや気持ちのよいリズムが表れてきます。ふちがみとふなとファンの方はもちろん、そうでない方も、ぜひ一度聴いてみてください(レジで声をかけていただければ、いつでも試聴できます)。結局今日は、千晶さんが帰られたあとも、繰り返し3回かけちゃいました。 

(宮地)