『世界屠畜紀行』出版記念フェア

koshohoro2006-12-11


 先日、試作人として作らせていただきました。アザラシの毛皮で作る冊子本(写真)。アザラシって、思ったよりも長い毛で覆われてるんですね。でもって、作業するときの、これまでに触ったことのある陸上動物とはまた違った手触りというか、手応えは、なかなか楽しいものがありました。なんと表現したらよいか・・・。
 曖昧な記憶かつ素人の勝手な解釈なので、間違ってるかもしれませんが、葛西の水族館のペンギンの説明に書いてあったんだか、NHKか何かで見たのか、海棲哺乳類は、冷たい水から身体を守るため獣毛に油分が多く含まれており、水を弾いて直接肌に浸透しないようになってるんだ、というような説明を見た気がします。きっとアザラシも同じなのでは、と思わせる潤沢な毛艶に驚きました。そして、革の断面には気泡がたくさんあるようなんです。空気を含んでたのか、ここに脂肪が詰まってたのか解りませんが、これもきっと冷えから身体を守るしくみのひとつなのではないかと推測して、生き物ってスゲーと感心してるんであります。でもって、例えばカッターで切る時など、その気泡があるため、革特有の刃にまとわりつく感じがなく、サクッとしてる、というか・・・、これまでにない感触なんです。作業し易いと思いました。
 革に興味ある方には、ぜひ体験していただきたいです。お待ちしております。あ、興奮して長くなってしまいましたが、詳細は下記です。申し込み方法などが、これまでと違いますのでご注意ください。

(ミカコ)

(内澤旬子空礫日記より)


 アザラシの毛皮でつくるノートです。背にかがり糸がそのまんま出るタイプの綴じ方です。基本的には革手帖の綴じと大して変わらんのですが、綴じ糸が文様のようでかわいいのです。以前にヴェネツイアの製本屋さんで、とても古いスタイルのノートブックだと見せてもらって買ったもの(そのうちアップします)に、ちょっとアレンジを加えて作りました。

 背にはロウハイドという、パーチメントや太鼓の皮とほぼ同じ方法で作った厚手の革板を使いました。ロウハイドの製法や、それがどんなものに使われて来たかなどもお話できればいいなあと思います。作業時間を計ったのですが、毎回はじめてのときは想定外のリアクションがありがちですので、製本はもとより裁縫初心者の方は、30分ほど前にいらして、予行練習することもできます。

 アザラシの毛皮はおそらく今回きりです。入手先は日本の革屋さんですが、いつもあるというものではないようです。たまたま出会った時に、財布にお金があるかどうか、なのです。高価ですが、それだけの輝きがあります。クラッチバックのようじゃないですか。本当はクリスマスにやりたかったなあ。次回からは違う毛皮または革での開催を考えています。受講料金も革の値段で変動します。ご了承下さいませ。

 今回から申し込み方法が少し変わりますので以下をよくお読みになってからお申し込み下さいませ。よろしくお願いします。



『アザラシの毛皮で作る冊子本』 

  • サイズ:だいたいの外寸 天地16センチ左右11センチ
  • 本文紙:  キャンソンミタント 2,3色から選んでいただきます。1折り16頁を5折り
  • 革ひも、ボタン、かがり糸もいくつかのバリエーションから選んでいただきます。 

 写真のは木のボタンですが、骨っぽいのなども用意します。


■日時 2007年1月26日(金) 18:00から四時間程度


■場所 古書ほうろうhttp://d.hatena.ne.jp/koshohoro/about


■受講料 12000円 材料費、テキスト代、込み


■用意するもの メモを取りたい方は紙と筆記用具をお願いします。

         その他の道具は全てこちらで用意します。


■定員 6-8名(革が足りなければ6名になります。

    14日までに切り出しますのでその時確定します)


■申し込み方法 12月14日正午より受け付けます。

        CYM01760@nifty.ne.jp に

        お名前、参加人数、連絡先を書いてメールでお申し込み下さい。

        連絡先は、当日に連絡することが出来る携帯電話の番号が
        ありがたいです。

        個人情報は責任をもって管理します。

        お申し込みいただいた先着で、仮受付とし、
        10日以内にお振込みいただきまます。

        入金を確認次第、正式受付となります。


■キャンセルについて

        当日いらっしゃることが出来なくなった場合の返金はいたしません。

        ただし、製作に必要な材料全て(色などはこちらで選択させていただきます)
        と、テキストを郵送いたします。送料はこちらで負担します。

        今回の場合ですと、最低限、鋭い針と、先の丸い針を用意するだけで、
        テキストを見ながらご自分で製作することが可能です。
 

■定員が埋まらなかった場合

        というわけで、定員に達しなかった場合、
        テキストと材料のキットとして販売も考えております。



それではよろしくおねがいします。古書ほうろうに実物を明日預けに行きます。

手に取りたい方はぜひお店に行ってみて下さい。