今夜、列車は走る
昨日はなんだかんだで1時半頃まで店で働くことになり、なのでまあ覚悟はしていたのですが、案の定、今日起きたら13時半を回ってました。ミカコとふたり、あわてて支度して渋谷のシネカノン試写室へ。なにしろ、ようやく『今夜、列車は走る』を観られるのです。空腹だってへっちゃらというもの。
去年の11月、知人のはじめた十条のシネカフェsotoにはじめて伺い、『永遠のハバナ』を観ました。ハバナの市井の人々の生活を淡々と追ったドキュメンタリーのようなお話。キューバの音楽が好きで、その国についてもそれなりに知っているつもりだったけど、そこに暮らす人々が実際にどういう毎日を送っているのかということを、その映画ではじめて知りました。
その日は、終映後に配給元アクションの比嘉世津子さんのトークもありました。映画配給についてはずぶの素人だった比嘉さんが、あるきっかけからキューバに飛び、映画を買い付け日本で公開するまでの、とても大変だけど心躍る日々のことが、ユーモアたっぷりに語られた楽しいひととき。『永遠のハバナ』も素晴らしい作品でしたけど、それと同じくらい比嘉さんという人に魅了されたぼくたちは、その場で自己紹介して『永遠のハバナ』のDVDを古書ほうろうでも置かせていただくことになりました。
『今夜、列車は走る』は、そんな比嘉さんが買い付けてきた3本目の作品。4月12日(土)から、渋谷のユーロスペースで公開されるアルゼンチン映画です。「こんどはいったいどんなものを見せてくださるんだろう」と、ずっと楽しみにしていました。
舞台は90年代のアルゼンチン、鉄道で栄えたとある町。路線廃止のため自主退職を余儀なくされた多くの鉄道員たち。そのなかの5人の男とその家族の物語。
いまこれを読んでくださっているすべての人に観てほしいのであまり多くは語れないのですが、中南米に興味があるとか、鉄道ファンであるとか、工場マニアだとかいった、どのようなバックグラウンドも観る人に要求しない*1、どんな人の心にもダイレクトに届く物語です。仕事とはなにか、働くというのはどういうことか、そして人はなぜ生きていくのか、そんなことを考えずにはおられなくなります。ぼくが座っていた最前列では、国籍性別を問わず、何人もが同時にボロボロ泣いてました。もちろんぼくもそんなひとりだったのですが。
古書ほうろうでは、本日よりこの映画『今夜、列車は走る』の特別鑑賞券の発売をはじめました。1400円です。これを読んで興味を持ってくださった方は、ぜひどうぞ。また、上映期間が短いため(4月12日より2週間限定ロードショー、26日より2週間レイトショー)チケットを買うのは不安という方は、タイトルだけでも記憶の片隅にとどめていただいて、渋谷に行ったおりなどに思い出していただけたら、と願ってます。
(宮地)
*1:とは書きましたが、もちろんそれぞれの要素を持った人には、それに相応しい喜びも与えられます。たとえば鉄道ファンなら、疾走する機関車、趣きある重厚な駅舎、そしてなによりあの年輪の刻まれた広大な車庫に、うっとりすることでしょう
出発の準備
新宿22時50分発の夜行バスで名古屋に向かうため、そこから逆算して一日の予定を立てました。まあ、めったにないことです。
本当は、
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- すべての準備を終え、渋谷へ
- 『今夜、列車は走る』
- 夕食
- 新宿へ移動し、レコード屋のはしご
- 一杯やりながら時間つぶし
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というような流れが理想的だったのですが、実際は、
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- とるものもとりあえず、渋谷へ
- 『今夜、列車は走る』
- フレッシュネス・バーガー
- チラシとチケットを店に置いてから、自宅へ
- 荷造り&前日の日々録アップ&通販のメールやりとり
- 缶ビールを買い込みバスへ
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というバタバタな展開に。
ようやく乗り込んだバスは、2800円という値段もあってちょっと心配していたのですが普通の観光バスで、ちゃんとリクライニングもするし、毛布も貸してくれました。適当に空いていたこともあって、2座席分独占できるところもOK。ただ、すぐに消灯しちゃうため、本が読めないんですよね。ずっと眠り続けられるほどは快適じゃないので、これは大きなマイナスでした。値段を考えれば些細なことですが。
(宮地)