仕事始めに川本三郎

 今年最初の品出しは、川本三郎を3冊。『きのふの東京、けふの東京』『東京暮らし』『言葉のなかに風景が立ち上がる』。『きのふ〜』のなかの「永島慎二が描いた若者たち」によると、「とくに好きな作品」は『陽だまり』だそう。ぼくもそうなので、とてもうれしい。こんな一節もあります。

一九七二年に、私は朝日新聞社を辞めざるを得なくなった。「ぽえむ」で永島さんに会い、そのことを話すと「よかったね」といった。会社を辞めて「よかったね」といってくれたのが、永島さんらしかった。


 もう1ヶ所、短命に終わった東京グリーンパーク野球場と武蔵野競技場線について、小沼丹の随筆「幻の球場」を引きながら語るくだりも。

小沼丹は、野球見物の客は「白い烟を吐く機関車の牽く汽車に乗って、しゅっぽしゅっぽと、野球場にやってきた」と書いている。宮脇俊三編著『鉄道廃線跡を歩く』によると、実際は電車だったそうだが記憶のなかでは汽車なのだろう。

きのふの東京、けふの東京


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(宮地)