「平凡パンチ」の後藤明生

 小林信彦『1960年代日記』ちくま文庫)が久しぶりに入ってきたので、棚に出す前にしばしパラパラと眺めていたら、記憶にない記述を発見。

十月二十一日(金) 晴 寒
平凡パンチ」の後藤明生氏から小説依頼あり。延期してもらう=実は、ことわる。私は読物小説は書けない。

 1966年。いろんな意味で興味深い。
 後藤明生と言えば、先週オヨヨ書林に行ったときみつけた『分別ざかりの無分別』が湯村輝彦の素晴らしい装幀でそそられました。バタバタしていて買いそこねちゃったんですが。


 同じ年には、こんなのもありました。

十一月十六日(水) 曇
ひるから講談社へ行き、「冬の神話」にサインをする。百冊近かったか?

 古本屋としては気になる事実ですが、見たことはないですねえ。


「1960年代日記」は折に触れ読んだ本で、前にもちょっと書いたように思い入れも深いのですが、そのわりには案外覚えてないのでした。まあ、そんなもんだけど。

(宮地)