田端で『喋々喃々』を立ち読みしてたら

喋々喃々
 帰り道、急に思い立って田端駅のツタヤへ。オープンして間もなく1年になろうというのに、しかも毎日前を通っているのに、入るのは初めて。だって自転車停めるの面倒なんだもの、と思ってたら、ちゃんと立派な駐輪場がありましたよ。しかも2時間無料、その後6時間ごとに100円で24時間営業、となかなか良心的。でも「これなら自宅から渋谷行くときは、田端まで自転車で行った方が上中里から乗るより安いし速いし楽だよなあ」*1なんてすぐ考えちゃうのはいかがなものか。まったくセコい話で。


 さて、ツタヤは思ったよりずっと広くて、隣のスターバックスで買ったコーヒーを飲みながら読めるスペースなんかもあって(買わなくてもOK)まあ悪くないんですけど、それ以外は普通のツタヤでした。売上ベストテンも往来堂東京堂のような特徴はありません。でも「文芸」部門の1位が『告白』なのは良いとして(あの終わり方は苦手でしたけど、それはさておき)、2位から4位までの血液型の本、なんで「文芸」なんだろう。ツタヤの仕様?それともひょっとして(読んでないけど)小説なのかしら?

 などと思いながら店内を一周してたら、平積みになってる『喋々喃々』が目に入ったのでした(と言っても残り1冊で、そこだけ谷間になってたんですけど)。ご存知『食堂かたつむり』でブレイクした小川糸の最新刊。谷中あたりの地図がフィーチャーされてたという新聞広告のことは人づてに聞いていたので、ちょっと気になってたんですよね。その地図にはボッサさんやNOMADさんも載っていたそうだし。というわけで、早速手に取ってパラパラやっていくと・・・。
「うわっ、オヨヨ書林!」
「うおっ、一箱古本市!」
ほかにもよく見知った固有名詞がちりばめられていて、これは久々に登場した御当地小説のようですよ*2。しかし、一箱古本市つつじ祭りゴールデンウィークの風物詩として同列に語られていたのには驚きました。給料が出たらちゃんと読んでみるつもりですが、その前にだれか店に売りにきてくれないかなあ。


 ところで、「喋々喃々」て、ぼくのなかではなんとなく淫靡な響きを持つ言葉だったのですが、こういう雰囲気でタイトルに使われているところをみると、あるいはそうでもないんでしょうか。

(宮地)

*1:上中里→渋谷は290円、田端→渋谷は190円。上中里→田端は自転車で5分強。

*2:この地を舞台にした小説というと、まず思い出すのは石和鷹の『野分酒場』