谷内六郎木版画「なわとび」

 昨年夏頃だったか、お世話になっている近所の方から譲り受け、秋になったら店に出そうと思っていたのですが、木版画など扱ったことがないので、どうしたものかあれこれ悩んでいるうちに秋が終わり、正月になり、あっという間に一年が過ぎてしまいました。
 一年過ぎて経験が積めたわけではないのですが、奥に仕舞っておくよりは人目に触れた方がいいだろうとガラスを拭いて、額も拭いてようやく店に飾りました。どの角度から撮っても蛍光灯が入ったり、向かいの棚がガラスに映ったりで、現物の、冬がもうすぐそこまで来ている、澄んでいるけどつーんとするような外気の冷たさがお伝えできないのが残念です。
  こちらは一部を少しだけクローズアップ。縄跳びしている少女たちの指先がきっと冷たくなっているはず。

 

 写真のように、左下角には「木版画 版元 第一巧芸株式会社」の印があり、合印なのか切り込みが入っています。右下角には「六郎 ROKU」の署名がありますが、とくに刷番などはありませんので、恐らく量産版のようなものだと思われます。
 左上と右下角には、マットに留めるためのドラフティングテープ(もう粘着力はありませんが)付いたままになっています。最後の空の写真にも写っていますが、マットに隠れていた部分と比較すると、表に出ていた面は僅かに褪色が見られます。

 うちの店に飾っておくよりも、もっと似合うところに送り出してやることができるといいのですが。価格などは本日の品出しをご覧ください。

(ミカコ)