タクシデルミアのち談春

永遠のハバナ [DVD]
 10時半、起床。朝食はおにぎり。前夜、逗子の中原さん宅での楽しい宴のなごりが体のそこここに。騙し騙しの一日となる予感あり。

 12時、デザイナーの板谷さんの仕事場へ。4月に出す、新しい「不忍ブックストリートMAP」のデザインの打ち合わせ。最終候補に残っている2つの案(現在の版を踏襲したものとやや奇抜なもの)のどちらも予算的には変わりなく、実用的にも問題がないことを確認。板谷さんとは「鉄道」という共通の趣味があるので、お会いするのはいつも楽しみ。今日はほかに草思社民事再生法申請の話題なども。

 13時、いったん店へ。アクションさんから委託でお預かりしているDVD『永遠のハバナ』が一昨日完売したので、その精算の準備など。ここ2日ほどいったん品切れとなりましたが、今日また入荷する予定です。キューバラテンアメリカに対して興味津々、というほどでない方も買ってくださっている印象。実際、ハバナという街を肌で知るのにこれほどふさわしい作品もそうはないはずで、すべての人に先入観なしに観ていただきたい映画です。

 昼食に出ようとすると、船戸博史さんが来店。近所に泊まられていたそうですが、こうしてうちにも顔を出してくださるのはホントうれしい。今晩は入谷のなってるハウスでライブとのこと。ほうろうでも今年またぜひ、とお願いする。ところで、ここのところ「ひこにゃん」を見る機会が何かと多いのですが、そのたびに船戸さんのことを思い出し、楽しい気持ちになります(詳しくはこちらを)。

 稲毛屋さんでおいしい照り焼き丼を食べた後、花歩さんでコーヒー。不忍ブックストリートMAPの広告継続の件や今度の一箱古本市のことなどについて、あれこれお話する。なかなか伺えないのですが、いつお邪魔しても落ち着くお店です(詳しくはこちらを。さっきから人の褌ばかりで恐縮です)。自分がデザインした広告をショップカードに転用していただいているのを発見し、ミカコご満悦。

 ここからはひとりで京橋へ。映画美学校映写室で、15時半より『タクシデルミア』。あちこちで耳にした噂から、きっと自分向きではない、気分悪くなるかも、と覚悟していたのですが、想像以上に面白かったです。実験とか前衛といった言葉とは無縁の、きちんとつくられた上質の娯楽映画。映像処理のセンスも素晴らしく、見惚れました。ただ、ぼくの二日酔いのピークがこの作品の上映中に訪れたのも事実。それが偶然かどうかは微妙なところで、要は趣味が合うかどうか(間口はまあ狭いでしょうね)。

 配給元エスパースサロウの斉藤さんがいらしたので、ほうろうでチケットを取り扱っている『いのちの食べかた』の上映期間についても確認。渋谷イメージフォーラムについては2月上旬まで(延長の可能性あり)、またチケットは2月2日から15日までのポレポレ東中野での上映にも使えるそうです。とういことで、未見の方は、この機会にぜひご覧ください。こちらの間口は限りなく広いです。

 終映後、あれこれのシーンを反芻しながら徒歩でアップル・ストア銀座へ。今日は暖かい。昨秋故障したibookを修理に出すのが目的。ところが。「その機種の修理の受付は去年の11月で終了しました」「もう部品がありません」ですって。でも、9月に一度修理の相談に伺ったときにはそんなこと一言もおっしゃってないんですよ(その時点ではすでに判明していたのに)。なので、それについて質すと、「そのときにそういう説明ができればよかったとは思いますが、そうしなければならないという規則はない(われわれに落ち度はない)」とのこと。法律で定められている修理部品の保持期間もきちんと守っているそうです。はいはい。

 マックを使うようになってもう10年以上になりますが、こういう目に合うのはもちろん初めてではありません。それどころか、いつもこう、と言っても良いくらい。一貫してお客さんに対する愛がない。というか、愛は金で買え、と。そしてもちろん、スマイル0円。そういう会社なんだし何も期待してはいけないんでしょうけど、でも一度、タイガー魔法瓶の爪の垢を『タクシデルミア』の登場人物のように喰らってほしい(タイガーさんの大阪流?アフターケアについてはこちらを)。しかしそれでもマックを使い続けるわけで(ミカコ曰く「悪い男から離れられない女みたい」)、まあ因果な話です。マック・ユーザーたちの無償で絶大な愛に、ビバ!
立川談春/来年3月15日
 18時半頃、怒りをクールダウンする間もなく、ミカコと再合流し、新富町銀座ブロッサムへ。本日のメインイベント、立川談春独演会であります。今宵の演目は『子別れ』を通しで。例によって微妙な枕からはじまり、少しづつ場があったまってきたところで中入り、そして下からの後半は怒濤。なかでも亀が素晴らしく(鰻を食べる場面といったら!)、いつものように涙ぼろぼろ流しながら笑い続けるうち幕となりました。

(宮地)