中古CD放出市

 毎週水曜定休日恒例の店内在庫整理。あれこれの雑用に追われ、思うように作業ができないことも多いのですが、今日は捗りました。このところ買うばっかりでまったく出せずにいた中古CDを100枚まとめて大放出。いやあ満足です。ちょっと珍しいものはすでに本日の品出しでアップしたので、ここではそれ以外のものについて思いつくままに。


『バシブズーク』アルチュール・アッシュ(1575円)
Bachibouzouk
 ご存知トム・ウエイツみたいな声のフランス人。久しぶりに聴いたら、20歳の頃のあれこれが浮かんできました。下北沢の古いアパート(名前は確か明和荘)、渋谷クラブ・クアトロ(まだWAVEもありました)、田島貴男の深夜のテレビ番組(相手役は鈴木杏樹)なんてのが背景。すっかり忘れてたけど、来日公演も行ったはず(誰と行ったのかは思い出せないけど)。この日本盤にはボーナス・トラックとして「スローなブギにしてくれ」のカヴァーが入っていて、南佳孝ファンにとってはそこがミソ(CM用に録っただけで、たぶんご本人はファンでもなんでもないと思いますが、それでも)。


『CONVERSATION』MICHEL & TONY PETRUCCIANI(1575円)
Conversation
 フランス人が続きますが、特に意味はありません。ミシェル・ペトルチアーニのことは、学生の頃バイトをしていた上野のジャズ喫茶「イトウ」のマスターに教えてもらいました。『エスターテ』というアルバムで、明るいビル・エヴァンスといった雰囲気が気に入っていたのですが、あるとき紛失してしまい、残念ながら今は手元にありません。さて、今日出したこのギターとのデュオ盤も、はじめて聴きましたがなかなか良いです。「NARDIS」「ALL THE THINGS YOU ARE」「SOMEDAY MY PRINCE WILL COME」といったエヴァンスゆかりの曲が揃い、あちこちでジム・ホールとの『アンダーカレント』を彷彿とさせます。耳を傾けているうち、いつだったか、新宿ピット・イン(だったと思う)でピアノを弾いていた姿が、急に思い出されてきました。あれは凄い演奏でした。
 

アンチェインソウル・フラワー・ユニオン(1260円)
UNCHAIN
 新しいアルバムが出たら必ず買う、というようなファンではないけれど、ずっとシンパシーを感じ続けているバンド、ソウル・フラワー。「風の市」とか「エエジャナイカ」とか大好きな曲があります。あと、もちろん山口洋さんとの共作「満月の夕」も。で、これは聴いたことのなかったミニ・アルバム。この頃亡くなったカーティス・メイフィールドとどんとに捧げられ、中川さんが「ピープル・ゲット・レディ」と「トンネルぬけて」を唱っているんですが、これが堪りません。まだの方はぜひ聴いてみてください。残りの楽曲は『アンチェイン』というドキュメンタリー映画のサントラ。ほんと偶然なんですが、この作品、もうすぐ早稲田松竹でかかります。全然知らない映画だったのですが、豊田利晃監督によるライナーノーツを読んだら、俄然観たくなってきました。


 他にも、思い入れがあったり、ひと言話したいものがいくつもあるのですが、時間もないので今日はこんなところで。

 まったく触れませんでしたが、クラシックも20枚くらいは出しましたし(一番のおすすめはグールドの好編集盤『イマージュ』)、島唄も何枚かあったはずです(大城美佐子、大工哲広、平安隆などなど)。もっともたくさんあったのは、バルネ・ウィランの5枚で、以下、ジョン・ゾーン4枚、ジョニ・ミッチェルソウル・フラワー・ユニオン各3枚と続きます。出せずにいるCDの在庫は良いものに限ってもまだ軽く100枚以上あるのですが、本に比べて手間がかかるため、なかなか思うに任せません。でも何とか時間をつくって、もっとコンスタントに放出しないと。頑張ります。

(宮地)