これも老化現象?

 毎日の上り坂で息を切らし、会話では「あれ」の応酬。あぁ若い頃と身体が変ったなーと、つくづく感じる昨今。先日これもまた老化現象のひとつなのか、という出来事が・・・。
 って、そんな大げさに振るほどのことではないんだが、ハンガーを引っ掛けたまま通勤してしまったのである。
 出勤前にひとつ用事を済ませ、一度家に戻ってリュックを背負うためコートをウールから綿の方に替え、そしていつも通り自転車に乗って店に行った。店に着いて、自転車を置き鍵をかけようと、ちょっとかがんだ時だったか、何かちょっと固いものが腕に当たった。
 見ると、洋服を掛ける、ハンガー、である。リュックのどこかに引っかかっているらしい。
 あー、道理で、コート着替えた時に、ウール用のハンガーが見つからなかった訳だー、なんて合点がいってる場合ではないんだが。自分で外すのに手こずり、ちょうど買取りから帰ってきて店の前でタクシーから荷を降ろし終えた宮地に声をかけ、外してもらう。
 リュックにハンガーを引っ掛けて通勤してきた妻。それも、針金ハンガーじゃなくて、コート用の肩の厚みのある、黒いプラスチックの、引っかけるところが金具の、高級な方だ。大抵のことに笑う宮地なんだが、この時宮地の顔はとてもこわばっていた。
 えーっと、誰かとすれ違ったかな、あ、郵便屋さんを追い越したな。見られちゃったかなー。

(ミカコ)