名古屋のフリーマガジン「SCHOP」


 10日ほど前に届いたのに、紹介が遅れました。ナゴヤ発ワンテーマ・ミニマガジン「SCHOP」(「スコップ」と読みます)の、最新14号であります。
 特集「Resis DANCE! くらしの明日。」では、自然食やオーガニックなものに携わる農家やお店へのインタビュー、「Spectator」編集部での鼎談、渋谷「なぎ食堂」の紹介といった内容が、20ページにわたり繰り広げられるほか、連載コラムも充実。ぼくがここ最近ハマっている名古屋のバンド「GUIRO」*1のドラマー松石ゲル氏による「誌上ロック講座」や、犬山市の古本屋「古書 五つ葉文庫」*2さんの新連載「痕跡本を読む」など盛りだくさんです。
 全32ページ。ちょっとゴチャゴチャしたレイアウトと、これでもかというぐらいの小さな活字は、こと「読みやすさ」という点ではどうかとも思うのですが、この圧倒的なボリュームとそこから沸き上がってくる情熱を前にすると、他のスタイルはあり得ない気さえしてきます。編集長の上原さんには2月のBOOKMARK NAGOYAでもお世話になったのですが、この雑誌の手触りは、まさに彼のあの人なつっこい笑顔そのままなのでした。ナゴヤ発、といっても、いわゆる情報誌ではないので、名古屋に住んでいるかとか、興味があるかということとはまったく関係なく楽しめます。なんと言ってもタダですし、みなさま、ぜひ手に取って、熟読ください。


Album  あと、フリーペーパーつながりでもう少しだけ。すっかり紹介するタイミングを逸してしまいましたが、下北沢の「路字」02号と「早稲田文学 WB」の13号も届いています。「路字」ではますます冴え渡るセンス抜群の誌面構成に胸ときめかされ、「早稲田文学」では、内澤旬子さんの手になる林芙美子に腹を抱えました。どちらも残りわずかなので、まだ手にされてない方はお早めにご来店のうえお持ちください。

(宮地)

*1:GUIROのファースト・アルバム『Album』は、素晴らしいですよ。このひと月ばかり、ほうろうでもっともよくかかったCDだと思います。ぼくの語彙では、その魅力を十全には伝えられないのが残念ですが、他に類のない、唯一無二のバンドであることは間違いありません。ただ、これじゃ何のとっかかりもないので、そうですね、プリファブ・スプラウト細野晴臣が好きな人は、とりあえず聴いてみてください。ちなみにアルバムの録音・ミックスを担当されたのは、4月の加藤千晶さんのライブの際、ほうろうでも演奏してくださった鳥羽修さん。ほんとカッコいい音です。

*2:五つ葉文庫さんについては、岡崎武志さんも数日前のブログで取り上げられていました。連載タイトルの「痕跡本」というのは「前の持ち主の物語が刻まれた」本を指すそうです。今回のお題は「日野日出志と、針。」。ぜひ、本文にあたってみてください。