鬼頭哲ブラスバンド


 突然ですが、高校の同級生、鬼頭くんのライブのお知らせです。詳細はこちらをご覧いただきたいのですが、2月11日(月・祝)、ザムザ阿佐ヶ谷での昼夜2回公演。実のところ、このバンドでの演奏は聴いたことがないのですが「管楽器と打楽器のみによる完全アコースティックな吹奏楽団です。ポップで愉快で耳馴染みのよいメロディと力強い音圧が自慢です」とのこと。参加メンバーのなかには、大阪のクレズマー・バンド「フレイレフ・ジャンボリー」の瀬戸信行の名前もあります。会場も木に包まれたとても雰囲気のあるところですし、これはきっと楽しいですよ。

 鬼頭くんとは、中学・高校を同じ学校で過ごしたのですが、とくに親しい友人というわけではありません。あの頃のぼくはいま思うとガチガチの体育会系でしたし、鬼頭くんはブラバンの人でしたから。たださすがに6年も同じところにいると、同じクラスになることもあるし、共通の友人もいたりするので、お互い顔ぐらいはわかる、とまあ、そんな間柄でした。

 実際卒業してからも会ったのは一度きり。もう7、8年前になるかと思いますが、やはりいまぐらいの寒い時期に、今回と同じザムザ阿佐ヶ谷で、久しぶりにその演奏に接したあと、ちょっとだけ立ち話をしたのでした。そのときは、東京中低域というバリトンサックスばかりが10数人集まっているバンドの一員としてだったのですが、ともかく「音ってのは振動だ」ということを体感するのにこれくらいふさわしい編成もなく、相変わらずセンスの良い意欲的な活動をしていることを、とてもうれしく思ったものでした。

 高校時代、彼は「マジョルカ」という、ブラバンのメンバーを中心としたバンドをやっていて、ぼくはそのバンドのファンでした。松岡直也の、たしか「ディサフィオ」がテーマ曲で、おそらくはバンド名もそこから来ていたと記憶しているのですが、当時ぼくも松岡さんが大好きだったので、それを自分たちでカバーして達者に演奏している彼らはとても眩しかったです。あと「イズント・シー・ラヴリー」。言わずと知れたスティーヴィー・ワンダーの大名曲ですが、彼らが演っていたのはソニー・ロリンズ・ヴァージョンのカバーで、♪チャッ、チャチャチャチャチャチャチャチャチャ、チャッ、チャ、というリフが入るんですが、これがかっこ良くて。たぶんぼくはこれでスティーヴィー・ワンダーを知ったんじゃないかな。それに高3の秋の文化祭でのライブ、これも忘れられません。受験勉強のためほとんどのメンバーが抜け、ふたりだけになった「マジョルカ」。鬼頭くんのサックスと、高島東伸のギターとボーカル。なかでも「オール・オブ・ミー」は絶品で、いまでも何かの折にこの曲を聴くと、ステージ上のふたりの姿が甦ってきます。

 というわけで、ネットで偶然このライブのことを知って以来、あの頃のことをぼんやりと想い出しているのですが、みなさまも、もし興味を持たれましたら、2月11日は阿佐ヶ谷へお出かけください。また、鬼頭くんはこのバンド以外にも、前述の東京中低域のほか、今をときめく渋さ知らズのメンバーなどとしてもあちこちで演奏しています。機会があったら、ぜひ一度お聴きになってみてください(昨日紹介した「ぐるり」によると、3月28日に下北沢440東京中低域があるようです)。

 あと、そうだ、これも今回知ったのですが、鬼頭くんもはてなにブログがあります。タイトルはうさぎのえさ

(宮地)