水族館劇場「公然たる敵 ー ロストノスタルジア ー 」

この旅に終わりはない
地上はすでにはるかなる睡りに誘われた 重いまぶたがまなざしを塞ぐ それでも瞬くことをあきらめない星星への連帯の挨拶を送る!
テアトロの月のぼる宵闇 帰るべき場所をもたない棄郷者たちが奏でる忘れられたララバイを聴け!(チラシより)
詳細⇒水族館劇場HPインフォメーション

11月23日(水・祝) 真珠ノ箱

11月24日(木)宵闇19時 彗星ノ箱

  • 故郷喪失展 11月20日(日)〜26(土)

        「KUMA・山田しげる・鈴木遊のまなざし」
        「宮井雅仁・杉澤靖昭・入方勇の呼ぶ声」
        「山本紗由の紅い糸」

11月26日(土)黄昏16時 水晶ノ箱
  公演当日は、設営のため古書ほうろうは休業、公演のみの営業となります。

  • 鉱石の夢展 11月26日(土)〜12月3日(土)

        「中原蒼二の見た幻」
        「津田三朗の技」
        「もうひとつの近藤ちはる」
 ※「鉱石の夢展」は12月26日の初日に設営となりますため、本公演にご入場いただいたお客さまのみご覧いただけます。
  27日以降は、通常営業中にご覧いただけます。多くのお運びお待ちしております。


見料 当日券のみ 2,000円/3日間通し券 3,000円 (11/23 ヒグラシ文庫、11/24 古書信天翁にて販売)
   ※ 各公演ともご予約は不要です。開演時刻30分前よりご入場いただけます。



2000年、水族館劇場がこの町にやってきました。駒込大観音光源寺の境内に継ぎ接ぎだらけの異様なテントが建ち現れました。「水族館劇場」と描かれた幟は色褪せ、木戸には大漁旗、貼られた大きなポスターは雨に打たれ破れかけ、垂れ下がった鯉のぼりがおいで、おいで、しているようでした。
この年の公演は、「廃墟の森のデイアスボラ」でした。後悔しています。あのテントを見る瞬間まで、古本屋をしていること以外はごくふつうの30代女をしていましたので、どうしてもあの木戸をくぐる勇気が持てなかったのです。
数日して、あきらめきれずに境内に足を運ぶと、異界への入口は忽然と消え、いつも通りの境内に戻っていました。
あれは、幻だったのだろうか…。狐につままれたような一年を過ごしたのち、境内にある日突然、またテントが現れました。チラシを持ち帰り、早速電話をしました。「近くの古本屋です。うちにもチラシを置かせてください。」
これがすべてのはじまり。
まさか、この店にあのお芝居がやってくるようになるなんて。今年で3回目ですが、未だに人生何がおこるかわからんな、と思います。
馴れ合いを嫌い今年の公演を辞した水族館劇場でしたが、やはり芝居者の血は噴き出す先を求め、観客は渇望したままこの一年を終えることに満たされない思いがありました。
今年も水族館劇場の幕が開きました。
(ミカコ)

*1:梅山いつき(うめやま・いつき)1981 年新潟県生まれ 二年前に早稲田大学演劇博物館での現代演劇シリーズ「やぶれ船で流浪する水夫たちー水族館劇場の二十年の航跡」で出会う。昨年の企画展「広場をつくる・広場を動かす―日本の仮設劇場の半世紀―展」では構想から展示まで中心となる。水族館劇場NOMAD 恋する虜」では制作も担当。ロックバンドKISS とジョーヘンリーを愛でる大酒呑み。

*2:津田三朗(つだ・みつお) 1957 年兵庫県生まれ 九州大学芸術学部技官。劇団健康相談主宰。天幕芝居「約束の迷宮」には水族館劇場精鋭部隊が合流。箱崎宮の浜辺に玄界灘をみはるかす。肩書き以外にも、NTT ドコモCM 森の木琴、九州各美術館での黒子的活動を展開。水族館劇場には役者としてだけでなく、美術小道具としても関わる口も手もやたら速い芝居者。博多遠征野外公演の呼びかけ人代表でもある。

*3:近藤ちはる(こんどう・ちはる) 1978 年山梨県生まれ ウルトラグラフィックス所属。2005 年JAGDA 新人賞を歴代最年少で受賞。コカコーラ、NTT 東日本、映画、TV ドラマの広告デザインを巾ひろく手がけるいっぽう、ポスター、FISHBONE など水族館劇場の発信するオフィシャルな宣材のすべてにアートディレクターとして関わる。どんな場所でも眠れる特技を持つ。ダンベルで鍛えるプロレス愛好家。大酒呑み。

*4:中原蒼二(なかはら・そうじ) 1949 年東京都生まれ 水族館劇場制作。鎌倉立ち呑み「ヒグラシ文庫」店主。「-NOSTALGIA-月と篝り火と獣たち 」では、小倉駅裏の広大な空地に海 の砦建立を実現。北九州での天幕芝居空前の観客動員を記録。その後もさまざまなイベントを企画して現在にいたる。桃山、千 代次とは曲馬館時代からのつきあい。大酒呑み。