吉上恭太のサウダージな夜 第6回


昨年の7月から始まった、吉上恭太さんの「サウダージな夜」。外は凍える寒さでしたが、恭太さんのギターと歌で、店の中はほんわかと温かな空気に満たされました。寒い中お運びくださったみなさま、ありがとうございました。

いつも早めに到着して、恭太さんはギターを爪弾き始めます。会場の設営が終ると宮地と私は、いったん帳場に戻ります。恭太さんの生ギターを聴きながらの仕事は、贅沢独り占めみたいで密かな愉しみでもあります。
そうこうしているうちに、お客さまがちらほら集まり始め、ギターの音に賑やかな話し声が重なり、恭太さんは、毎回緊張します、と仰ってたので、ひょっとすると緊張が最高潮に達するころかもしれませんが、だんだんと店内が和んでゆきます。

今夜は、前半がブラジル音楽中心で、後半は恭太さんのオリジナル、はっぴいえんどはちみつぱい小坂忠武満徹などを。

後半に登場したソプラノギターは私のお気に入り。ふつうのギターより1オクターブ高く、音がとてもきれいで、形は洋梨型。見た目も大きさも可愛いギターです。「不忍ブックストリーム」第3回(12/17)の放送では、バックで恭太さんが弾いていました。

恭太さんの奏でる音楽は、ギターの音色も、歌う声も、わたしには安定剤のよう。うん、気持ちの襞を優しく整えてくれる月に一度のアンプル剤みたいです。
終わったあとに、差入れなどを戴きつつ交わすおしゃべりはサウダージな夜第二部となりつつあります。今宵は、にごり酒、ワイン、トマトジュース、ビール、キッシュとケーク・サルという豪華な食卓!みなさまに感謝!(美味しそうなアルコールが集まったのに、二日酔いであまり飲めなかったのが無念至極。)

そして毎回吉上さんご夫妻が配られるサンキューカードもおふたりからの嬉しい贈り物です。文章は恭太さん、写真は奥さまのとも吉さんが担当。とも吉さんの写真もいつも素敵なのです。こういうことって頭で考えていてもなかなか出来ないことなので、おふたりはすごいなぁと尊敬しています。

恭太さん、とも吉さん毎回とびきりの夜をありがとうございます!

2011年始めのサウダージもこんな感じで幕を開けました。恭太さんのご好意で、無料のライブなので(恭太さんへの投げ銭は大歓迎です!)、見えるお客さまの顔ぶれもいろいろです。おふたりのお友だちや、不忍ブックストリートのメンバー、たまたま居合せたお客さまがそのまま聴いていってくださったり。予約の必要もありませんので、ぜひ、頭空っぽにして、恭太さんのギターに身を委ねにふらりといらしてください。

吉上恭太さんブログ 「昨日の続き」 http://kyotakyota.exblog.jp/
twitter http://twitter.com/ykyota


最後になってしまいましたが、「サウダージな夜」の初回からのお客さま、川村之さんから昨年戴いたメールの一部をご紹介します。

本の販売以外のイベントにも多角的に力を注ぐお二人の姿勢は、「店」という言葉がもつ本来の意味「見世」を思い起こさせます。
そこに行けば「世相や世界が見える」ようになる空間、とでもいえばいいでしょうか…。
考えてみれば、書物には本来、新旧による価値の差はあまりないはずです。ということは、洋の東西をこえ、過去・現在・未来の時間をこえた品揃えの「古書店」こそが、本来の「見世」であり「書店」なのでしょう。そしていまぼくたちが「書店」と呼んでいる店を「新刊書店」と読んで区別するべきなのかもしれません。

自分たちにはまだまだ余りあるお言葉なのですが、気持ちがぶれそうになると思い出しています。

今回こそは写真を忘れないようにと挑んだのですが、あえなく失敗に終わりましたので、川村さんから上記のメールと一緒に送っていただいた昨年の10/22の第3夜の写真を掲載させていただきます。(汗)

サウダージな夜の模様を、谷根千ウロウロさんがブログにすてきな写真と共にアップしてくださっています。ぜひご覧ください。
第1回 納涼ボサノヴァギターの夕べ(笑)第2回 こんどはもうちょっと日本のうたも第4回第5回 サウダージなクリスマス・イブ第6回
(ミカコ)