新しめの本、あれこれ

 発売から1年くらいの新しめの本がまとめて入ってきたのでご報告。小説では、直近の乱歩賞受賞作『プリズン・トリック』、有川浩の新作『フリーター、家を買う。』といった、ほんとに出たばかりのものから、出たのは去年だけどうちで売るのははじめての、奥田英朗『オリンピックの身代金』、飯嶋和一『出星前夜』までいろいろ。あと、もう少し前の本ですが、高山文彦による中上健次の評伝『エレクトラ』なんかもあります。どれも読んでみたいのですが、生ものなので、全部出しちゃいました。

 出版関係のものでは、塩山さんの『出版奈落の断末魔―エロ漫画の黄金時代』が初お目見え。相変わらずの塩山節ですが、今回の本はほんと知らないことばかりで勉強になりました。塩山さんが書いたんじゃなければ、一生この業界について知ることがなかった(知らずに済んだ)人、多いでしょうね。特に女性は。

 あと『「本の雑誌」炎の営業日誌』も初入荷。でもこれについては、完全に浦和レッズ・サポーターの本として読みました。レッズ・サポーターのなかにこの本を買った人はどのくらいいるんでしょうね。レッズの売店でも売ってるのかとか、版元はそっちもあてにして刷り部数を決めたのかとか、ほかにもいろいろ気になります。大宮戦の記述ももちろんあって、嬉しかったゴール、悔しかったゴールを思い出すとともに、同じ場で向き合っていたことは何度もあるのだなあと、親近感を抱いたり。そういうところで親しみを感じるのはサッカーが文化として根付いてない証拠(敵意を持たなきゃダメ)とか言う人もいるけど、それもどうなんでしょうね。実際スタジアムに行くとなかには変なのもいるし、集団になると怖さを感じるときもそりゃあるけど、週末の結果に一喜一憂して一週間を過ごすという意味では、みんな同好の士ですから。
 

 そうそう、夜になって岩波文庫もたくさん出しました。青帯中心に100冊ぐらい。多くは定番ものですが、品切れのものは本日の品出しにアップしましたので、こちらもよろしくお願いします。

(宮地)
出版奈落の断末魔―エロ漫画の黄金時代
「本の雑誌」炎の営業日誌