面出し再考

 ここしばらく日本の小説棚の本が売れません。新入荷棚すぐ左の比較的新しめの本を集めた棚。動きが悪いのは他も同じですがここは特に膠着状態で、そのわりには結構あれこれ入ってくるので完全に糞詰まりとなっています。並んでいる本に魅力がないのならまあ仕方ないんですが、たとえば今この時期に北村薫の『鷺と雪』が動かないというのは、何か問題があるのでしょう(さすがに『1Q84』はすぐ売れましたけど、ねえ)。前から思い当たることはあったので、今日はその手当てをしてみました。
 半年くらい前、このジャンルの(しかも売れ筋の)本が大量に入ってきたことがあって、どうにも並べきれないので2段目の面出しコーナーを撤去して、そこにもズラーっと並べたことがありました。その対応自体は間違っていないのですが、その後も面出しを復活させなかったのは完全に失敗。「1冊でも多く並べた方がいいかもよ」というエクスキューズこそありましたが、要は横着したわけです。面出しにはその本自体を目立たせるという本来の目的以外にも、棚全体にお客さんの目を向けるという効果もあって、実はそれが大きいのですね。面出しコーナーをなくしたことで、あの棚は店のなかで埋没しちゃったのでしょう。
 というわけで、本日復活させてみました。一段分本を減らさなければならないので、その分均一棚も充実。また一冊ずつ値段の見直しもしました。これでも動きが変わらなかったら、ちょっとお手上げだなあ。


 帰り際に中古CDもちょこっと出しましたよ。

はっぴいえんど高橋ユキヒロ、ソウル・フラワー・ユニオンセルジオ・メンデスとブラジル'66、レッド・ホット・チリ・ペッパーズシャルロット・ゲンスブール、ディキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ、デヴェンドラ・バンハート、アーツ・ザ・ビートドクター、フアナ・モリー

 アルバム・タイトルからしてぐっと来る『カンテ・ディアスポラ』、クールなジャケット通りの音が鳴る 『Searching for the Young Soul Rebels』、そして言わずもがなの『風街ろまん』(紙ジャケ!)と今日も粒ぞろい。でも何より個人的な大発見はフアナ・モリーナでした。何から何まで素晴らしい。
(宮地)
カンテ・ディアスポラ Searching for the Young Soul Rebels (Rpkg) Son