4月の備忘録

 先日通勤路に鯉のぼりを発見。え、なんで?と思ったら、もう4月が終わるのでした。
 一箱の準備をしていて、頭の中ではもうすぐ5月の一箱古本市とわかっているのですが、どうも昨年末あたりから身体と気持ちがまったく暦についていけなくなっています。そういえば、桜も咲いていましたね。

 そう、桜が咲いている時期にたぶん生まれて初めて上野のお山に行きました。お花見の喧噪を遠目に、見仏記一門の友人に誘われ、阿修羅展に行ったのでした。仏像道真っ暗なわたしの為に、友人が資料をスキャンしファイリングし持ってきてくれたお陰で、にわか阿修羅ファンになりすまし、暮れなずむ東京国立博物館、ファン特別鑑賞会に紛れ込むことに成功。(特別鑑賞会は終了しています。)
 正直全体的に演出過剰な感じは否めませんでしたが、阿修羅像の背後にまわった時、友人とふたり思わず息をのみ「すごいね・・・」とほぼ同時に声を出していました。
 これは自分では行かなかったかもしれないので、誘ってくれた友人に感謝。http://www.asahi.com/ashura/
 見終わって表に出ると、裾に満開の枝垂れ桜を纏った国立博物館の真上には、満月が浮かんでいました。

 この日は昼間青山スパイラルの五月女寛陶展「〜はるいろ〜」にも出掛けたのでした。ネットで一目惚れし恋い焦がれていた作品に触れてきました。決して手が出せないようなお値段ではないのですが、じっくり目に焼き付けて、手にして重みをおぼえて。いつかきっとうちにも飾ろう、と。http://kuushin.cocolog-nifty.com/blog/
 帰りがけ、お向かいのオヨちゃんに挨拶。https://www.oyoyoshorin.jp/


 そして近いところでは、武藤良子さんの展示「耳朶とスプーン」。
 案内にあった緑道に入ると直ぐ、噴水の前のちょっとだけ開けたスペースに、3畳分くらいの段ボールを敷いて、その上にふつうに布団を敷いて掛け布団を掛けておじさんが寝ていました。すんごく冷え込んだ日だったので、布団をちゃんと首元までかけていても寒いんじゃないかなと思ったけれど、自分も薄着で鼻水が垂れそうだったのでそのまま通り過ぎてしまいました。
 平日の半端な時間だったせいかマルプギャラリーには誰もいなくて、知らない人の家に忍び込んだようでちょっとハラハラしながら、展示を見ました。武藤さんが黒く塗りつぶしている姿を勝手に思い浮かべながら。真っ黒に塗りつぶした画面に、切抜いたみたいな線で描かれているスプーンや、金魚がとても印象に残りました。もっともっとたくさん作品をみたいなぁと思いました。http://www.toshima.ne.jp/~mryoko/


 日曜日には閉店後、六本木ミッドタウンへ急行。ほおずき市でお世話になっているTさんに誘っていただき、『Connected:コネクテッド/小坂忠』の発売記念ライブ。ゲストは細野晴臣尾崎亜美。忠さんが「ほうろう」と歌う度に、ひとりで小さい返事を試みました。
 楽しい夜でした。どうもありがとうございました。http://www.chu-kosaka.com/

 4月の非番備忘録でした。
 もうすぐ朝ですが、遠くで夜の虫が啼いています。子どもの頃、どこか田舎で嗅いだ露に濡れた草の匂いがした気がしました。
(ミカコ)