上野動物園のペルシャ絨毯

さて、これはなんでしょう?

答えはカピバラ。和名は鬼天竺鼠(オニテンジクネズミ)、の後姿。顔を見たかったのですが、一時間で20センチくらい、とっても面倒くさそうに歩いただけでした。


 桜がまだ蕾のころに上野動物園に行ってきました。
 ウン十年ぶり!の動物園、実はお目当てのイベントがありました。
「東京・春・音楽祭」http://www.tokyo-harusai.com/の参加イベント、「子どものための絵本と音楽の会」という催しです。『ババイの庭』〜ペルシャじゅうたんとアラベスク〜。
 構成とお話を担当しているのが、音の台所http://homepage3.nifty.com/oto-kitchen/の茂木淳子さん。
 子どものためのイベントなので、ほんとうは大人だけでは入れないところをお願いして入れてもらいました。
 この日のために選ばれた絵本が、イラン系フランス人マンダナ・サダトの『ババイの庭』。(この本はまだ日本では出版されていません。原題:Mandana Sadat*1『Le jardin de Babai』Grandir,France*2 右の写真はイタリア語版です。)
 右から読むとフランス語で、左から読むとペルシャ語。(逆だったかな?)お話の内容も違ってきます。

「ババイ」は、イランの砂漠にひとりぼっちですむ羊です。ペルシャ語の羊の啼き方からついた名前。日本だとメーちゃんかな。

 正面の大きなスクリーンに一頁一頁映し出され、茂木さんが日本語に訳したものを朗読します。
 フランス語の物語を一回朗読したところで、ハープの登場。ハープの弦には羊の腸も使ってあるのだそうです。演奏するのは「アラベスク」。「アラビア風の」という意味があるそうです。斎藤葉さんのハープの演奏とともに、もう一度朗読。ババイの作った庭にいろいろな動物たちが遊びにきます。音楽が奏でられ、絵の動物たちがほんとうに走っているみたいです。
 次はペルシャ語で朗読。そしてハープはアッセルマン作曲の『泉』。灼熱の砂漠で水を使って植物を育てる「庭」はまさに「楽園」です。
「ババイの庭」は羊の毛を織ってつくるペルシャ絨毯そのままのとっても美しい彩色の絵本でした。ペルシャ絨毯は「楽園」のイメージを織り込んだものなのですね。これからペルシャ絨毯を見る度にババイのことを思い出します。
 
 気持ちのこもったとても素敵な会でした。茂木さんどうもありがとうございました。



(ミカコ)

*1:http://mandana.microburo.com/マンダナ・サダトさんのHP、他の絵本もとても美しい!

*2:http://mandana.microburo.com/2009/03/20/le-jardin-de-babai/ババイも写真がたくさんありました。