クラヴィコード ワークショップ&コンサート at Brick-one

 12時、店をミカコに任せて日暮里駅へ。今日は、日暮里・舎人ライナー、通称「とねりん」の開業日。やっぱりこういうのは開通の日に乗らないと。人混みをかき分け、いよいよ乗車。窓際の場所も確保できました。西日暮里駅周辺のあまりに醜悪な土木工事など言いたいことはいろいろありますが、こうして高いところから勝手知ったる町を眺めるのは気持ちがいいものです。なかでもハイライトは扇大橋越えの眺望。風が強いので揺れがちょっと怖いですが、広々とした荒川の景色を堪能しました。みなさんもぜひ一度お試しください。開業記念チョロQも発売中ですよ。

 
 なんてね。ただの妄想です。西日暮里駅チョロQの話以外は、嘘、あるいは裏を取っていな想像ですので、くれぐれもご注意ください。実際に乗るのは一箱古本市が終わってからになりそうです。


 さて、ここからは本当の話。
 14時過ぎ、団子坂上ブリックワンへ。ブリックワンの熊谷乃理子さんと池宮中夫さんとは、大観音でのほおずき市でご一緒する仲。いつもとてもお世話になっていて、一昨年の友部正人さんのライブの際など、座席用のクッションをたくさんお貸しいただきました。今日はここで、クラヴィコードのワークショップが開催されるのです。講師はバッハ・コレギウム・ジャパンでも弾いてらっしゃる大塚直哉さん。楽器製作家の山野辺暁彦さんもご一緒です。

 クラヴィコードは、端折って言えばピアノ以前の鍵盤楽器。ぼくは古楽器系の演奏会にはあまり行かないのでそもそも見かけること自体稀なのですが、実際にこの手で触れるのはもちろんはじめて。第一印象は音が小さい。そしてつくりが繊細。それでも講師である大塚さんの演奏を聴くと、ちゃんと大きな音も出るし、強弱もきちんと表現されるのですが、ぼくが試しに叩くんじゃ、とてもそういうわけには行かないのでした。ピアノという楽器の完成度の高さ(あるいは野蛮さ)を痛感した次第。また、思っていた以上に多彩な音色を持っていて、アイヌムックリ口琴)のような響きなど、これまでも耳にしていたはずなのにあまり意識したことはなかったですね。


 あと、今日はもう1台、はじめて見る珍しい楽器が。名前は「レガール」。持ち運びが可能な卓上オルガンです。あまり上手に写真が撮れなかったのでわかりにくいかもしれませんが、演奏する人とは別に、ふいごを操作する人が必要で、ふいごが閉じた瞬間に音は消えます。なので、当時はひとりでオルガンの練習をすることは困難で、クラヴィコードはその代用としても使われたそうです。あと、突然王様がやって来て楽隊の手配が付かないときなどにも、ラッパの代わりに弾かれたとか。見た目のかわいらしさとは裏腹に、パワフルな音を出す愛い奴で、こういうのが家にあったらさぞ楽しいでしょうね。
 


 大塚直哉さんは、今日のようなワークショップ「音楽の隠れ家」を2002年より続けてらっしゃいます。興味を持たれた方は、下記のサイトをご覧ください。
 http://homepage3.nifty.com/utremi/Lesson/Lesson_Work.html「音楽の隠れ家」


(宮地)