祝!20号「中南米マガジン」


 夕方、金安さんが来店、5冊納品していただきました。できたてのほやほや、記念すべき20号です。こういう雑誌を、自腹を切って出し続けることは並大抵のことではなく、金安さんならびにスタッフのみなさまに、心から敬意を表します。


 まだほとんど読めていないのですが、目次を見る限り、いつも通りの盛りだくさんの内容。しかし、今回いきなり度肝を抜かれた*1のは、

中南米マガジン史上最大の企画
「ジャンル別 ラテンミュージックファン 金持ち度ランキング」
ご協力のお願い

という記事。普通なら、シャレだよなあ、と思うところですが、下記の項目を見ていただければおわかりのように、金安さんは本気です。回答者には「粗品を謹呈させていただ」くそうだけど、大丈夫なのかなあ。

  1. あなたが一番、所得が高いとおもうラテンミュージックファンはどのジャンルですか?また、それはなぜだとおもいますか?
  2. あなたが知っている、お金持ち&経済的に苦しいラテンミュージックファンについて教えてください。どういう生活をしていますか? なぜそういう暮らし向きになったのでしょうか? どういう仕事をしていますか? などなど。
  3. あなたは、ラテンミュージックのCD、DVD、書籍&雑誌などをどれだけ買いますか?
  4. あなたがいままで購入したラテンミュージック関連商品のなかで、一番高額なものは何ですか?それにいくらかけましたか?


「少しでも正確なラテンミュージックファンの経済動向を調査」するため、みなさんもこの20号をお買い求めのうえ、ぜひご回答ください。

 でも、このアンケート、ほんと金安さんの人柄があらわれていて、おかしいなあ。「中南米マガジン」は誌面ももちろん面白いのですが、オーナー兼編集長である金安さんのキャラクターがまた、それに劣らずユニーク、というか、だからこそ、であることを、あらためて実感しました。今日も、つい先日名古屋に行かれたときの話を伺ったのですが、なんでも、途中菊川で電車がなくなってしまい、そこから隣の金谷まで、暗闇のなか、舗装もされていない山道をひたすら歩いたそうです。うーん、なぜ?と思わずにはいられないのですが、実際に金安さんの口から聞くと、妙に納得させられてしまうんですよね。その脱力系の語り口は、ご自身のブログでも読めますので、ぜひ一度、のぞいてみてください。


 http://yamaoh.ameblo.jp/中南米マガジンを読むと、頭が良くなるよ」
 


 ついでにひとつ、お知らせを。
 古書ほうろうでは、中南米マガジンのスタッフで、いつも楽しいイラストを描かれている*2すずきさちさんの、絵はがきセットも発売中です。過去に本誌に掲載され好評だった、ハバナの中華街やメキシコ・シティの地図、それになんとハバナの古本屋の図解まで。レジ前の『永遠のハバナ』DVDの隣りと、あと旅の本のコーナーに置いてありますので、手に取ってご覧ください。5枚セットで、500円です。
 また、さちさんは、やはりほうろうで取り扱い中の『書肆アクセスという本屋があった』にも、心温まるエピソードを寄せてらっしゃいます。今号に掲載されている追悼文と合わせ、そちらもぜひご一読ください。


Algo Nuevo
 最後に、もうひとつだけ。この20号では、ぼくも「ズバリ!音楽評」のコーナーでCDを1枚紹介しました。去年の夏、金安さんが店にいらしたとき、たまたまサルサの話で盛り上がり、このような運びとなった次第。この雑誌には普通過ぎる気もしたのですが、大好きなボビー・ヴァレンティンのことを書いたので、よかったら読んでみてください。
(宮地)


*1:度肝を抜かれたといえば、この表紙もそうで、思わず「これは誰ですか?」と訊いてしまいました。答えは「セリア・クルース」。そう言われてみれば確かにそうなのですが、最初は陽気なおじさんに見えました。

*2:今号には「キューバのりもの考現学」を。いまは禁制となっている、自転車(改)オートバイ「リキンビリ」の秘密工場への潜入記です。ハバナの人々の暮らしぶりが伺える読み応えあるルポなのですが、手引きをするのが古本屋というところがなんとも。怪しい雰囲気をまとった、暇そうな古本屋、うらやましいなあ。