坂本頼光 三遊亭きつつき 二人会


坂本頼光さん、三遊亭きつつきさんおふたかたと、古書ほうろうとのご縁はこちらにも記しました。
おふたりで下見に見えたとき、ひととおり舞台設営の話も終ったと、我々は帳場に戻りしばらくすると、奥からは本を見ながら何やらふたりのたのしそうな声が聴こえてきました。これはきっと年明けに相応しいイベントになるぞ!と確信しました。

活弁付き映画上映と落語、ということは、スクリーンもプロジェクターも高台も必要なわけです。といってもうちの店には何もない。唯一お役に立てたのは、奥のテーブルを使った高台。あとは、ほとんど頼光さんが身の丈1.5倍はありそうな巨大なスクリーンを電車で運んできてくれたり、家で衣裳に着替え小脇にきつつきさん用の座布団抱え自転車で颯爽と現れました。

以下、演目です。オープニングの新春のご挨拶は今日のための新作です!


【オープニング】
坂本頼光
「2011年新春のご挨拶」森繁久彌 山川静夫

【演目】
坂本頼光
 ・「ジャックと豆の木
 ・「喧嘩安兵衛」

三遊亭きつつき
 ・落語「一分茶番」

− 中入り −

三遊亭きつつき
 ・落語「蝦蟇の油」

坂本頼光
 ・「五作ぢいさん」
 ・「爆進ラリー」

坂本頼光・三遊亭きつつき二人会。もっとも印象に残ったのは、徳光寿夫監督による1939年の短編『五平ぢいさん』。横山運平主演による納税奨励作品を、爆笑喜劇に仕立ててしまう頼光さんのセンスに脱帽。森繁久彌山川静夫の声色を駆使したオープニング映像「2011年を祝ぐ」も見事でした。
(2011年1月15日 古書ほうろうtwitter @legrandsnes より)

小坂忠、古書ほうろうで歌う


 小坂忠さんがほうろうで「ほうろう」を歌ってから、早くも半月あまり。クリスマスも終わり、とうとう大晦日になってしまいました。本来ならばもっと早くご報告すべきだったのですが、思いが強すぎて、何も書けないまま師走は過ぎ去って行きました。あの日ぼくが感じたことは依然うまく話せそうにありませんが、それでも今日は最後まで書いてみようと思います。


 小坂忠さんにこの店で歌ってもらえたら・・・。それはたしかに夢でした。でも現実にそんなことが起きるなんて、想像したこともありませんでした。ミカコも書いているように、それは「ひょんな偶然が重なって」実現したのですが、もし起こっていなかったとしたら、これから先も自分から忠さんにお願いすることはなかった気がします。忠さんはぼくにとってそういう存在でした。

 ただ、こうして実現した後で考えると、早かれ遅かれこういうことは起こったのかもしれない、偶然ではなく必然だったのでは、とも感じています。なぜなら、こうなることを望んでいたのは、ぼくだけではなかったから。あの日の開演前と終演後、挨拶に立ったステージから見た鈴なりの客席とそこから溢れる熱気が、ぼくにそのことを教えてくれました。それはここに集うみんなの夢でもあったのかもしれない、と。


 あの日、忠さんはMCのなかで何度も「夢」という言葉を使われました。そして、それが「夢を聞かせて」の歌詞とも響き合って強い印象を残すことになるのですが、なかでも「ほうろう」を歌った直後に仰られた以下の台詞は忘れられません。

「こういう夢を持った仲間がいて、こういう場所があって、最高だと思いました。これからもここで、夢を発信し続けてほしいですね。」


 ぼくが「古書ほうろう」という店について思い描いてきたのも、まさにそういうことでした。ぼくだけじゃありません。ミカコも、古書信天翁のふたりも、きっとそうでしょう。古本を売ったり買ったりすることも、さまざまなイベントも、すべてひっくるめて、縁のできた人たちと一緒につくっていく。そんな場所にできたら・・・。あの日ぼくは途中からずっと泣いていたのですが、たぶんそれは、忠さんがここで歌ってくださることが、そんな「夢」の象徴だったからです。



 あと10時間ほどで今年も終わります。「羽鳥書店まつり」「高山宏 meets 水族館劇場」「小坂忠、古書ほうろうで歌う」と、大きなイベントが重なった年でした。どれひとつとっても自分たちだけではとても成し遂げられなかったし、数年前だったら企画段階で諦めていたかもしれません。それがこうして実現したのは、多くの方々の助けがあったからです。

 今回のライブのきっかけをつくってくれた一人である山口洋さんは、「これは彼らがメゲずに続けてきたことへのギフトだと思う。」と言ってくださりましたが、その贈り物は、忠さんが来てくださったことだけでなく、忠さんを迎えるために集まった仲間たちのことでもあると、ぼくは思っています。


 みなさん、本当にありがとうございました。そして、これからもどうぞよろしく。よい年をお迎えください。
(宮地)

セットリスト

 第1部
  木枯らしの風 / In the Bleak Midwinter
  ふけゆく野原の / 聖歌125
  たがいに喜び / 聖歌128
  さやかに星はきらめき / 讃美歌2編219
  山の上から / Go Tell it On The Mountain
  きよしこのよる / 讃美歌109


 第2部
  夢を聞かせて
  I Believe In You
  Hard to say(偶然と必然の間)
  ふたりの理由、その後
  機関車
  ほうろう
  クリスマスベル


 アンコール
  What a Wonderful World


*ライブ当日を中心に、みなさんのツイートをまとめてみました。

http://togetter.com/li/79363

 忠さんが「古書ほうろう」という名前を初めて耳にした、ちょうど一年前の横浜サムズアップまで遡っています。多少長いですが、ぜひご一読ください。


 また、以下のみなさんのブログも、あわせてぜひ。
 スタッフやお客さまとして、あの場にいらした方々です。
   谷根千ウロウロ 
   「へのさん」の本でいっぷく 
   DOWNTOWN DIARY 
   昨日の続き


 そして、すばらしいギターを聞かせてくださった、西海孝さんのブログも。
   今日もシウマイ弁当が好き。


二夜連続ライブ 番外篇「10年前のこと」

 最後にちょっとだけ想い出話を。

 10年前の二夜連続ライブは、1日目が平安隆さんで、2日目がOKIさん。沖縄の三線と、アイヌトンコリ。「北と南から」という謳い文句で手描きのポスターを作ったことを憶えています。当時は今と違って棚にキャスターなどついていません。なので、本を一旦全部棚から抜いて、棚を端に寄せて、また全部入れ直すという、凄まじい労力を払って会場をつくっていました。当然復元も同じ作業の繰り返し。結局1回のライブをやるのに丸2日間営業を休むという(このときは丸3日)、なんとも優雅な時代でありました。おまけに設営後は棚に白い布を掛けて本を保護したので、もうとても古本屋には見えません。でも、そこにゴザを敷きつめてできあがった、がらんとしたあやしげなスペースが、実に魅力的で。忘れられないのは平安さんの日のアンコール。当然のようにカチャーシーになって、客席の真ん中にやってきた平安さんをみんなで囲んで踊り狂いました。そして終わった後はそのまま宴会。本なんか1冊も売れないのに、ただただ「自分の店でライブをしたい」という気持ちだけで動いていたあの頃が、ちょっとだけ懐かしいです。それからしばらくして、さすがにそんな悠長なことはできなくなって今のようなスタイルに移行していくわけですが、それでも古書ほうろうのイベントの根っこには、今もそういう気分が残っているような気はします。
(宮地)

カタリココ、ご来場ありがとうございました

 昨夜のカタリココは、大盛況のうち、無事終わりました。終演なんと23時。時間はとっくに過ぎているけど終えるにはあまりに惜しい、というステージ客席双方の気持ちが、ない時間を引き延ばし、素晴らしい会となりました。大竹さんの質問に、あるときは沈黙し、あるときは言葉を選ぶように話しながら、真剣に考えを巡らす黒川さんの様子が、とても印象に残りました。少しからだを揺らしながら、ぶっきらぼうに語るその朗読とともに。

 撮影を担当してくださった山本寿人さんが、当日の様子を早速ブログにアップしてくださっています。会場の雰囲気が伝わってくる写真と、真摯なお人柄が伝わってくる感想。ぜひご覧ください。
http://ktvkphoto.jugem.jp/?eid=164


(宮地)

王子さまやばっ

koshohoro2009-04-04


 月の湯古本まつり、萬福亭チキンライスは61食で完売いたしました。1升炊き炊飯器(中古だけど)を新調した甲斐がありました。
 食べてくださったみなさま、ほんとうにどうもありがとうございました。

続きを読む

お花見上映会

 桜の花よりも春雷に歓迎されてしまい、残念ながらお花見散歩は出来ませんでしたが、たくさんのお客さまが来てくださり、ほうろうでは初めての試みだった映画上映会は無事終了いたしました。

続きを読む